写真1:EQガード地震速報装置業務用(左)と家庭用(右)
写真1:EQガード地震速報装置業務用(左)と家庭用(右)
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写真2:会見するサンシャイン代表取締役社長の佐々木和夫氏
写真2:会見するサンシャイン代表取締役社長の佐々木和夫氏
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 サンシャイン(本社:東京都千代田区)は,2007年10月に始まる気象庁による緊急地震速報を利用した地震警報システム「EQガード」の予約販売を,2007年7月10日に開始する。同社が学校などに向けて開発した不審者通報用の機器と連動させることで,地震発生後に従業員や生徒などの安否を確認できるようにしたのが特徴。2007年6月27日の記者発表会で明らかにした。

 地震が発生すると,全国約1000カ所に設置された地震計がそれを感知し,気象庁にデータを送信する。このデータはJEITA(電子情報技術産業協会)を経由して同社のサーバに送られ,さらに家庭や会社,学校,病院などに設置されたEQガードの地震速報装置に配信される。同装置は光と音声で,周囲の人に何秒後にどの程度の規模の地震が来るのかを警告する。

 このように緊急地震速報を利用して地震発生を伝えるシステムはほかにもある。EQガードの特徴は,この後の処理にある。

 地震発生情報を受けたEQガードの地震速報装置は,周囲に警報を発すると同時に「スクールガード」と呼ぶ緊急通報システムに地震発生を伝える。スクールガードとは,同社がすでに発売している,学校や病院に向けた不審者対策用のシステムである。

 小学生や教師などがリモコンを携帯し,不審者を発見した際にボタンを押すと職員室などに設置された受信機に連絡する仕組み。リモコンからの通報を受けた受信機は,あらかじめつないでおいたパソコンのソフトを起動し,どこで緊急事態が起きたのかを把握できるようになっている。

 今回はこの仕組みを応用した。地震発生のデータを受けると,パソコン上の安否確認用ソフトウエアが自動的に立ち上がる。リモコンを持っている人は,ボタンを押すことで,安否情報を受信機に送信できる。報告された安否情報は,パソコンでまとめて確認できる。該当箇所のカメラ映像なども,同時に確認できる。なお,このスクールガードは現在,全国1300の学校に導入されているという。
 
 EQガードには業務用と家庭用があり,スクールガードとの連携に対応しているのは業務用のみ。家庭用EQガードの価格は7万8000円,業務用はオープン価格となっている。スクールガードを安否確認システムとしても使えるようにするためには,専用のソフトウエアを別途購入する必要がある。

 そのほか,EQガードには,遠隔地にいる人に地震発生後,自動でメールを送って連絡を促す機能や,データ保護の観点から,指定したコンピュータを自動的にスリープ/シャットダウンする機能もある。