米Apple Inc.は,米国で2007年6月29日に発売予定の携帯電話機「iPhone」を購入した時に,携帯電話サービスを利用可能にする手続きを,同社のソフトウエア「iTunes」を通して実行できると発表した(発表資料その1)。通常携帯電話を購入するときは,携帯電話事業者と連携した店舗でこの作業を行う必要がある。iTunesを通してオンラインで携帯電話機を有効にすることは,米国の携帯電話事業者の慣例を大きく変えることになる。

 iTunes経由でiPhoneを有効にするためには,Mac OS XやWindows XP/Vistaに対応し,USB 2.0ポートを搭載するパソコンに加え,iTunes Storeのアカウントもしくはクレジット・カードなどが必要である。iTunesを使うと,購入したiPhoneを有効にするだけでなく,パソコンに保存したアドレス帳やWWWブラウザーのブックマーク,カレンダー,電子メールのアカウント情報,音楽などのデータを,iPhoneのデータと同期させることができる。記事を執筆中の時点で最新のiTunesのバージョンは7.2.0.35で,iPhone関連の機能は搭載していないもよう。iPhoneの発売日ごろに,iPhoneに対応したiTunesの新しいバージョンを公開する可能性がありそうだ。

 Apple社はiPhone向けの携帯電話サービスの料金表も公開した(発表資料その2)。iPhoneを有効にするには米AT&T Inc.の携帯電話事業者と2年間の契約を結ぶ必要があり,月額59.99米ドル,79.99米ドル,99.99米ドルのプランの中から選ぶ。各プランには,無制限のデータ通信や200回分のSMSなどが含まれる。月額料金に含まれる通話時間は,59.99米ドルのプランは月に450分,79.99米ドルは900分,99.99米ドルは1350分である。

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