【BREW会議】OSとしての性格を強める次期版BREW,マルチプロセスやマルチウインドウに対応
米QUALCOMM Inc.は,携帯電話機向けのソフトウエア実行環境「BREW」に関する開発者向け会議「BREW 2007 Conference」(米国カリフォルニア州サンディエゴ,2007年6月20〜22日)において,BREWの次期版である「BREW Client 4-Series」を発表した(発表資料,図1)。
KDDIは他社に先駆けて4-Seriesの採用を決めた。QUALCOMM社が2007年前半に開発を終えたバージョン4.0を利用して,携帯電話機向けソフトウエア・プラットフォーム「KCP(KDDI Common Platform)」の次期版の開発を進めている。一般に提供するためのソフトウエア開発キット付きのバージョンである4.1は,2008年第1四半期に出荷を開始する予定である。
セキュリティー向上を目的にメモリ保護に対応
4-Seriesの最大の特徴は,マルチプロセスに対応したことである(図2)。従来のBREW(バージョン3.x)は,BREWを実行するためのプロセスの中ですべてのBREWアプリケーションを実行していた。OSが管理するプロセスで動作するBREWが,その中で複数のプロセスを生成し,管理するという形態である。優先度に応じてスケジューリングする複数のプロセスが,それぞれ保護されたメモリ空間内で動作するようにした。プロセスの中では1個以上のBREWアプリを実行する(図2)。プロセス内の複数のBREWアプリは別々のスレッドで実行し,それらを優先度に応じてスケジューリングする。
「メモリ保護に対応したのはセキュリティーの問題を解決するため。BREWアプリ同士を保護することと,BREWアプリからシステム・ソフトウエアを保護することが目的」(QUALCOMM社Vice President EngineeringのMahesh Moorthy氏)とする。1個のプロセス内で動作するBREWアプリはメモリ空間を共有する。連動して動作するBREWアプリを同じプロセス内で実行し,セキュリティーのリスクがあるBREWアプリを別のプロセスに隔離するといった形態で実装することを想定している。別のプロセスで実行しているアプリケーション同士の通信は,BREWが提供するプロセス間通信のAPIを利用する。
また,BREWが動作するために確保するヒープ領域を,動的に変更できるようにした。従来は開発時に静的に決める必要があったが,4-SeriesではBREWが管理するプロセスごとにヒープ領域を確保でき,BREWはOSのサービスを使ってヒープ領域全体を生成・拡大する(図4)。このほか4-Seriesでは,異なるBREWアプリのウインドウをディスプレイ上に複数表示できるマルチウインドウ機能に対応した。












