市場調査やコンサルティングを手掛けるブランド総合研究所の調査によれば,携帯電話のユーザーが通信事業者(キャリア)を変更する際に最も重視するのは料金(料金プランや割引サービス)であることがわかった。

 調査は2007年6月2日~7日に実施したもので,携帯電話番号ポータビリティ(MNP)が導入された2006年10月24日以降にキャリアを変更した16歳~49歳の男女1560人から回答を得た。1560人の内訳はNTTドコモ,au,ソフトバンクの加入者それぞれ約500人ずつだ。

 キャリアを変更する際に最も重視した項目としては,「料金」と答えた人が最多で,回答比率は55.4%に達した。「携帯電話機」(端末の機能など)の19.2%や「ネットワーク」(エリアや通信品質)の18.1%を大きく引き離している。ブランド総研は,携帯電話機の機能やネットワークについて差別化要素が少なくなってきたことの表れとみている。

 変更後の料金の変化について,事前の予想に比べた場合の感想を尋ねると,「予想より安くなった」と答えた人は17.7%にとどまり,「予想より高くなった」と答えた人が29.8%に上った。キャリア変更にあたって不満を感じたことの第1位は「料金やサービス,機能の種類が多く,理解しにくい」(33.5%)だったことから,ブランド総研では,キャリアが乗り換えに関して十分な情報を発信できていなかったのではないかと指摘している。