C言語/C++を使って,システムLSIのハードウエア-ソフトウエア協調設計をするためのコンソーシアム「Open SystemC」の立ち上げが発表された(リリース文)。機器メーカ,半導体メーカ,EDAベンダ,IPプロバイダ,組み込みソフトウエア開発ツール・ベンダなど55社以上が参画する。国内メーカとしては,富士通とソニーが参画している。

 Open SystemCは,まず,C++クラス・ライブラリなどからなる「SystemC」と呼ぶパッケージをオープン・ソース方式で無償公開する。SystemCのクラス・ライブラリには,「クロック」や「同期」,「プロセス」,「信号」といったハードウエア関係のクラス,「インタラプト」といったソフトウエア関係のクラス,「アブストラクト・コミュニケーション」といったハード-ソフト・インタフェース関係のクラスがある。

 このほかに,SystemCには,シミュレーション・カーネル,リファレンス設計のソース・コードやリファレンス・マニュアルが含まれる。これらは,同コンソーシアムのWWWサイトからダウンロード可能。現在,バージョン0.9が公開中で,ユーザの意見などを反映した1.0版を2000年3月に公開の予定である。

EDAベンダ3社が技術や製品を提供

 SystemCは,米Synopsys, Inc.,米CoWare, Inc.,ベルギーFrontier Design社の製品や技術をベースに開発された。Synopsys社は「Scenery(開発コード名)」と呼ぶC++に関する研究開発成果を,CoWare社はハード-ソフト・インタフェースの抽象化技術と同社の専用言語「RTC」,Frontier Design社は固定小数点データ型に関する技術と「A|RT Library」をOpen SystemCに提供した。なお,今後のSystemCの更改や管理はステアリング・グループが行なう。そのメンバは11社で以下の通り。英ARM, Ltd. CoWare社,米Cygnus Solutions社, スウェーデンEricsson社, 富士通, ドイツInfineon Technologies AG,米Lucent Technologies, Inc.,ソニー,STMicroelectronics社,Synopsys社,米Texas Instruments, Inc.である。

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