携帯型の心筋梗塞検査機「コバスh232」
携帯型の心筋梗塞検査機「コバスh232」
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 スイスF.Hoffmann-La Roche Ltd.の診断薬・機器事業部門は,急性心筋梗塞や肺血栓塞栓症の診断に使う検査機器を小型化した。据置型の従来機に比べて体積を1/3,重さを1/2にし,別売りの電池パックで駆動できるようにした。救急外来や病棟,循環器外来など,病院内のさまざまな場所で使えるという。日本市場では,同部門の日本法人であるロシュ・ダイアグノスティックスが,2007年7月2日に発売する(リリース)。

 今回の携帯型検査装置「コバスh232」は,血液中に含まれる心筋トロポニンT,ミオグロビン,D-ダイマーといった成分の濃度を測定し,その値から急性心筋梗塞や肺血栓塞栓症を診断する。具体的には各成分に対応した試薬に患者の血液を滴下し,これを検査機に差し込んで測定する。1回の測定に必要な血液は150μL,測定時間は約15分である。

 従来機に比べて小型化を進めただけではなく,操作画面を大きくし,タッチ・パネルを採用することで操作性も高めた。最大500件の検体数を保存でき,特定患者の測定結果を一覧で表示できる。外形寸法は275×102×55mm3,電池パックを含む重さは約650g。バーコード・スキャナー付きの本体価格は60万円(税別)。提携企業の日本光電工業と共同販売する。