図1 Open IPTV Forumの活動を説明する,同フォーラム Steering Group ChairmanのYun Chao Hu氏
図1 Open IPTV Forumの活動を説明する,同フォーラム Steering Group ChairmanのYun Chao Hu氏
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図2 ITU-TからOMA,3GPP,OSGiに至るまで,既存の規格を集めてエンド・トゥー・エンドのIPTV規格を策定する
図2 ITU-TからOMA,3GPP,OSGiに至るまで,既存の規格を集めてエンド・トゥー・エンドのIPTV規格を策定する
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図3 NGNのように事業者が管理するネットワークと,インターネットの双方で使える
図3 NGNのように事業者が管理するネットワークと,インターネットの双方で使える
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 スウェーデンEricsson社やソニー,松下電器産業などが参加するIPTV規格の標準化団体「Open IPTV Forum」は,同団体の活動内容について東京都内で説明会を開いた。

 Open IPTV Forum設立の目的は「IPTVの急速な普及を促すために,IPTVサービスの規格を早期に標準化する」(Open IPTV Forum Steering Group ChairmanのYun Chao Hu氏)ことである(Tech-On!関連記事)。サービス・プロバイダに拠らない共通の端末やサービスの規格を定めることで,端末の価格を引き下げ,IPTVサービスの普及を促したい考えだ。米iSuppli Corp.の調査によれば,現時点で世界におけるIPTVサービスの利用者数は約520万人という。Open IPTV Forumは,これを2010年までに8000万人と1ケタ以上増やすことを目指す。

 Open IPTV Forumは元々,Ericsson社とソニーが中心となり,他の通信機器メーカーや通信事業者,家電メーカーに呼びかけてスタートした団体である。現時点で合意が得られつつある同フォーラムのIPTV規格の特徴は,以下のとおりである。

1.対応するコンテンツのフォーマットやDRMは少数に

 DRMや圧縮方式については「1つないし2つの方式を選択したいと考えている」(Yun Chao Hu氏)。関係者の話では,現在候補に挙がっている方式は,映像の圧縮方式はMPEG-2とMPEG-4 AVC/H.264。DRMはMarlinやOMA DRM 2.0のほか,OMA BCASTが挙がっているという。

2.NGNでもインターネットでも利用可能に

 NGNのように事業者が管理するネットワークと,インターネットの双方で使える規格とする(図3)。前者のネットワークを使う場合,IMS(IP multimedia subsystem)を利用することで,IPTVが受信した映像を携帯電話機と共有するなどのサービスを受けられる。このほか,プレゼンス機能を利用したショート・メッセージ・サービスや,ユーザーが撮影した動画を遠隔地のIPTV端末で視聴できるサービスも利用できるという。

3.ホーム・ネットワークを通したサービス提供に対応

 Open IPTV Forumが策定するIPTVサービスは,DLNAなどのホーム・ネットワークにつながる機器でも利用できるようにする。例えば,同フォーラムのIPTV規格に対応したホーム・ゲートウエイ機器を,DMS(digital media server)としてDLNAネットワークに接続し,DLNA機器からコンテンツを視聴できるようにする。

4.パーソナライズ機能を搭載

 端末がユーザーの個人情報を保持することで,例えば個人向けに特定の広告を配信するなどの機能を持たせる。

 Open IPTV Forumは,2007年9月までにアーキテクチャと要求仕様を,2007年末までにUNI(user network interface)のプロトコル仕様を定める。相互接続性や認証の規格については2008年6月までに定める予定である。