Triplet UIの画面。リビング・ルームにいる際は,リビングのテレビが優先して表示される。同様に音楽データを選べばオーディオ・プレーヤが優先表示されるといった具合である。DLNAでいうと,Triplet UIの左側がDMS,右側がDMPに相当するといえる。
Triplet UIの画面。リビング・ルームにいる際は,リビングのテレビが優先して表示される。同様に音楽データを選べばオーディオ・プレーヤが優先表示されるといった具合である。DLNAでいうと,Triplet UIの左側がDMS,右側がDMPに相当するといえる。
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実演の全景。今回はコンテンツは裏にあるサーバーに格納した。プロジェクターに写っているのは,Linux上でTriplet UIを実装した超小型パソコンの画面映像である。無線LANによる位置推定技術も使われているため,このパソコンをリビングに持って行くとTriplet UIの背景が青色に,寝室に持って行くとオレンジ色に変わる。
実演の全景。今回はコンテンツは裏にあるサーバーに格納した。プロジェクターに写っているのは,Linux上でTriplet UIを実装した超小型パソコンの画面映像である。無線LANによる位置推定技術も使われているため,このパソコンをリビングに持って行くとTriplet UIの背景が青色に,寝室に持って行くとオレンジ色に変わる。
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「何を」「どうする」「どこで」の三つに絞り込んで操作する。
「何を」「どうする」「どこで」の三つに絞り込んで操作する。
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 ソニーコンピュータサイエンス研究所(CSL)は,ネットワーク家電でコンテンツの再生や停止などを直感的に操作するためのユーザー・インタフェース技術「Triplet UI」を開発し,2007年6月8日の同研究所公開「Sony CSL Open House 2007」で実演を行った。機器の画面上で,「操作の対象となるコンテンツの格納元」,「行いたい操作(再生や停止など)」,「表示・再生したい機器」の三つを,同社のユーザー・インタフェース「XMB」に似たリストから選択しそれぞれ指定する。

 Triplet UIでは,目の前に物理的に存在する家電だけでなく,「YouTube」などインターネット上のコンテンツも,再生したいコンテンツとして指定できる。このほかコンテンツの再生・表示先として,同じ家庭内にある機器だけでなく,親戚の家にあるテレビなど遠隔地の機器も指定することを想定している。無線LANアクセス・ポイントの位置をあらかじめ登録しておけば,その電波の電界強度を基にユーザーが家庭内のどの部屋にいるかを推定し,リスト上で近くの機器を優先的に表示するといった機能も備える。

 家電間を連携する仕組みとしては,現在,DLNAがあるが,あくまで家庭内ネットワーク上のコンテンツを対象にしている。また,他の機器に操作を指示するといった仕組みも備えていないという。今回の技術は,こうしたDLNAの仕組みの上に構築する一種のアプリケーションといえる。ただし,今回の実演では,特にDLNAは用いていない。なお,Triplet UIという名称は,コンテンツの格納元,再生方法,再生先の三つを「三つどもえ(triplet)」で指定することから命名した。

 Triplet UIは,CSLのインタラクションラボラトリー(室長の暦本純一氏,田島茂氏,大和田茂氏,西田佳史氏),ソニー本社でデザインを担当するクリエイティブセンター(今村誠氏,唐沢英了氏),ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ(入交真由氏)が共同で開発した。