新製品を手にするウィルコム 代表取締役社長 喜久川政樹氏
新製品を手にするウィルコム 代表取締役社長 喜久川政樹氏
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今回発表の新製品Advanced/W-ZERO3 [es]
今回発表の新製品Advanced/W-ZERO3 [es]
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新ポインティング・デバイス「Xcrawl」を使っているところ
新ポインティング・デバイス「Xcrawl」を使っているところ
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 「新製品はケータイらしいサイズと快適なWWW閲覧を実現するスペックと操作感にこだわった。この製品で,スマートフォン市場の拡大を目指す」。2007年6月7日,ウィルコムはPDA型PHS端末(スマートフォン)の新機種「Advanced/W-ZERO3 [es](WS011SH)」の発表会を開いた。壇上に立ったウィルコム 代表取締役社長 喜久川政樹氏は新製品のセールスポイントを冒頭の3つにまとめた。出荷目標については「最低10万台は達成したい」と控えめに語ったが,ソフトバンクモバイルなど,携帯電話事業者によるスマートフォン市場への参入について聞かれると「携帯電話事業者の新規参入は市場の拡大につながる。通話料金を含む定額制など,差別化は可能」と自信をみせた。

 新製品は「日本人にとってもっとも使いやすい幅である50mmを実現した」(同社長)とする。前モデルであるWS007SHと比較すると,無線LANや赤外線通信の機能を加えた。Liイオン2次電池モジュールも薄型化したが,前モデルより容量は増加している。この一方で,部品や配置の見直しなどで外形寸法は前モデルの56mm×135mm×21mmに対して,50mm×135mm×17.9mmに収めた。

 快適なWWW閲覧の実現のために,表示画素数の多いディスプレイを採用,マイクロプロセサを高速化するなどした。液晶ディスプレイは3型で800×480画素表示(ワイドVGA)。マイクロプロセサは動作周波数520MHzの米Marvell Technology Group Ltd.製「PXA270」,主記憶として128MバイトのSDRAM,フラッシュ・メモリーは256Mバイトを搭載する。OSは米Microsoft Corp.製の「Windows Mobile 6 日本語版」を採用した。

 操作性の向上のために,ウィルコムはWS011SHに新しいポインティング・デバイス「Xcrawl」を採用した。「片手でも楽にWWW閲覧できるように考えた」(ウィルコム)。Xcrawlはスクロール・ホイールの機能と十字キーの機能をあわせ持つ。感圧センサーを使って,指の動きを探知し,画面をスクロールする。

 2007年6月29日に予約受付を開始,7月中旬より販売を開始する。価格はウィルコムのWWWサイトでの直販の場合,新規加入時(ウィルコム定額プランとデータ定額加入)に2万9800円となる。機種変更時は一括払いのほか割賦販売を検討中,詳細は後日発表する。