セキュリティ技術開発を手掛けるカナダCerticom Corp.は,同社の保有する米国特許2件を侵害しているとして,ソニーおよびソニーの関連会社を提訴したと発表した(発表資料)。ソニー製品で用いられているコンテンツ保護技術が,Certicom社の米国特許を侵害しているとして,米国テキサス州マーシャルにある東部地区の連邦地方裁判所に提訴したもの。

 問題となった特許は,Certicom社の基本的な特許2件で,家電製品で使用される楕円曲線暗号(ECC:elliptic curve cryptography)技術に関連し,Blu-ray装置に使われている著作権管理技術AACSや有線および無線通信で音楽と動画を圧縮して配信する際に使われるDTCPを含むコンテンツ保護技術に関わるとする。Certicom社は,ソニーがCerticom社とライセンス契約を締結せずに,米国で製品の生産,使用,輸入,販売などを行うことによって,同社の特許を侵害していると主張している。特許を侵害しているソニー製品としてCerticom社が挙げるのは,「プレイステーション 3」やDVDプレーヤー,「VAIO」,HDTV映像対応のテレビなどである。

 Certicom社のPresident兼Chief Executive OfficerであるBernard Crotty氏は,「訴訟を起こさずに商業的な交渉を通じて,この問題を解決したいが,現時点では告訴以外に選択肢がない」と話した。