ベースバンド処理LSIである「WFB4030」とRFトランシーバICである「WFR4030」の2チップ構成
ベースバンド処理LSIである「WFB4030」とRFトランシーバICである「WFR4030」の2チップ構成
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 米QUALCOMM Inc.は,次世代無線LAN「IEEE802.11n」(Draft 2.0)による最大315Mビット/秒のデータ伝送を,2007年7月に国内で実演する。

 IEEE802.11nのDraft2.0に準拠したチップセットを実装したMini PCI Express型カードを使う。2007年7月18日から東京ビッグサイトで開催予定の「ワイヤレスジャパン 2007」の会場で,データ伝送を公開する予定。「Mini PCI Express型カードに実装した当社の11n準拠チップによる300Mビット/秒超の国内での実演は,これが初めてになる」(クアルコムジャパン)。

 チップセットは,ベースバンド処理LSIである「WFB4030」とRFトランシーバICである「WFR4030」の2チップで構成する。QUALCOMM社が2006年12月に買収した,米Airgo Networks,Inc.の技術陣が開発したもの。Airgo社が開発したチップセットとしては,第4世代に相当する。MIMO(multiple input multiple output)技術に対応するチップセットで,送受信アンテナ素子の組み合わせでは1×1,1×2,1×3,2×2,2×3を利用できる。40MHz帯域幅を利用し,ガード・インターバル長を短くするモードなどを利用することにより,300Mビット/秒超のデータ伝送を実現できる。

 QUALCOMM社はこのほか,携帯電話機向けおよび家庭のAV機器向けの11nチップセットを開発中としている。携帯電話機向けに関してはスリープ・モードなど低消費電力化を図ったチップセットを2008年中にも投入したい考えだ。