2006年度のメーカー別出荷台数シェア
2006年度のメーカー別出荷台数シェア
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 MM総研は,2006年度(2006年4月~2007年3月)における国内のパソコンの出荷実績を発表した(発表資料)。出荷台数は対前年度比3.9%減の1302万5000台で,2002年度以来4年ぶりの減少となった。上半期は前年同期と比べて1.1%,下半期は6.4%の減少で,下半期の落ち込みが響いた。出荷金額は対前年度比9.3%減の1兆5600億円。平均販売価格は前年から2800円下落し,11万9800円だった。米Microsoft Corp.の新OS「Windows Vista」を搭載した機種が市場に投入されたことにより,需要が高位機種へ移行して,単価の下落は下げ止まったという。

 メーカー別の出荷台数シェアを見ると,上位8社の順位に前年からの変動はなかった。1位はNECの20.9%。前年度比6.0%減の272万台を出荷したが,シェアは0.5ポイント減少した。2位は富士通の18.7%で,前年度と比べてシェアに増減はない。出荷台数は同4.0%減の243万台。3位はデルの14.0%。前年度からシェアを1.2ポイント伸ばし,同5.0%増の182万7000台を出荷した。4位は東芝の10.1%,5位はソニーの7.0%。出荷台数は東芝が同1.9%減の132万台,ソニーが同1.4%減の91万4000台だった。両社ともに0.2ポイント,シェアを伸ばしている。

 個人向けと企業向けの市場はどちらも不調に終わった。個人向けパソコンの出荷台数は,対前年度比5.6%減の548万9000台で,8.2%増と好調だった2005年度から反転した。Microsoft社のWindows Vista市場投入後も,出荷台数に大幅な増加は見られなかった。各メーカーは,価格を抑えたWindows Vistaである「Windows Vista Home Basic」搭載の機種と,より高機能な「Windows Vista Home Premium」を搭載した機種を売り分ける戦略をとっていたが,実際にはWindows Vista Home Premium搭載の機種に人気が集中し,平均販売価格は増加傾向。この状況を受けて,各メーカーは出荷台数の増加より,平均販売価格の増加を狙い,高額製品や付加価値の高い製品の品揃えを強化しているという。

 企業向けパソコンの出荷台数は,対前年度比2.7%減の753万6000台。買い替え需要が一巡しており,2006年度後半から2007年度は買い替え需要の谷となる見通し。企業向けのWindows Vistaを搭載した機種は,現在導入単価が高く,買い替えの材料になるまでには至っていないという。

 MM総研は,2007年度の国内出荷台数を,2006年度と同水準の1305万台と予測する。上半期はパソコンの価格が高止まりする見込みで,出荷台数は前年度比で横ばいからやや減少するという。ただ,下半期からは,企業向け市場で買い替え需要が回復したり,付加価値の高い個人向けパソコンの普及が進む見通しで,出荷台数も増加に転じるとする。