【人とくるま展】長野計器,ダイアフラムに金属ガラスを利用した新型圧力センサを出展
長野計器は,非晶質の金属ガラスを利用して感度を従来比で4倍高めた新しい圧力センサを展示したTech-On!関連記事。金属ガラスは射出成形によりダイアフラム(圧力検出素子)として使い,その上にひずみゲージを蒸着することで圧力センサモジュールとして働く(図)。感度が向上したことにより,精密な油圧ブレーキ制御や燃料噴射圧を高めた低環境負荷型ディーゼルエンジンといった自動車分野だけではなく,工場エアの検知をはじめとする産業分野で広く利用できそうだ。
金属ガラスは,東北大学金属材料研究所教授の井上明久氏が開発したもので,長野計器ではZi(ジルコニウム)基とNi(ニッケル)基の二つを採用している。現在の圧力センサのダイアフラムに使用されているステンレス鋼SUS630と比べた場合,引っ張り強さは1.5〜2.5倍と高い一方で,ヤング率については1/2〜3/4と低い。つまり,金属ガラスは高強度/低ヤング率という特徴を持ち,圧力センサとして利用すれば「高強度は耐圧性能を,低ヤング率は感度を高める」(同社)のだ。
ダイアフラムにする加工法は,従来のSUS630では削り出しだったが,新しい金属ガラスは射出成形を利用している。ひずみゲージを蒸着し圧力を検出する部分が最も薄く,厚さは1mm以下。「薄くすると感度は上がるものの,圧力に対する線形性が悪くなる」(同社)ため,無闇には薄くできないという。
既に,圧力センサモジュールに,検出した圧力を電気に変換する回路を搭載した圧力トランスミッタを開発しているが,コストは「量産との兼ね合い」(同社)。なお,この技術は,東北大学金属材料研究所,次世代金属・複合材料研究開発協会,YKKと共同開発したもので,「第五回産学官連携推進会議」で内閣総理大臣賞を受賞している。












