米Intel Corp.と伊仏合弁のSTMicroelectronics社がフラッシュ・メモリ事業を統合する(発表資料)。両社に投資会社の米Francisco Partners社を加えた3社で合弁会社を設立し,新会社にIntel社とST社のフラッシュ・メモリに関する資産を集約していく。新会社では,民生機器や産業機器に向けてNAND型またはNOR型のフラッシュ・メモリを提供する。

 新会社への移管手続きは2007年下期中に完了する見通し。Intel社とST社がそれぞれ資産を新会社に売却するかたちでの統合を予定しており,Intel社は新会社の株式45.1%と現金4億3200万米ドルを,ST社は新会社の株式48.6%と現金4億6800万米ドルを受け取る。残る6.3%の株式をFrancisco Partners社が取得する計画だ。Intel社とST社が新会社に譲渡する資産には2500件の特許と1000件の申請中の特許が含まれる。

 新会社のCEOにはIntel社からBrian Harrison氏が就任し,COOにはST社からMario Licciardello氏が就任する。本社をスイスに構え,オランダに会社登記する予定。主な研究・製造拠点は世界9カ所,従業員は約8000人になる見込みだ。

 Intel社とST社のフラッシュ・メモリ事業の売り上げは合計で2006年に約36億米ドルに達しており,NOR型に限れば市場シェアでIntel社が2位,ST社が3位につけている(Tech-On!関連記事1)。両社のシェアを単純に合算すれば,新会社は現在首位の米Spansion Inc.を大きく引き離して首位に躍り出る。携帯電話機向けフラッシュ・メモリの市場においても同様に,2位と3位のタッグで現1位を抜き去ることになりそうだ(同2)。