インドのテレビの消費台数と売上高の予測
インドのテレビの消費台数と売上高の予測
[画像のクリックで拡大表示]

 米iSuppli Corp.は,インドのテレビ市場の2006年の実績と今後の予測を発表した(発表資料)。2006年におけるインド国内のテレビ消費台数は1214万1000台で,売上高は25億1300万米ドル。iSuppli社は,インドがテレビの消費に関して世界市場で大きな勢力となっていると分析する。消費台数は2011年までに年間平均成長率(CAGR)9.0%で成長し,1871万7000台に達する見通し。売上高は9.6%で成長して39億7600万米ドルを見込むという。

 インドでは,年収5000米ドル未満の国民が70%を占め,テレビの購入はそれほど簡単に選択できないにも関わらず,テレビ価格の下落などがテレビの購買意欲を高めているという。ただ,液晶テレビやPDPテレビはまだ高価で,消費の中心はCRTテレビである。

 インドの消費者の多くは,最初に購入するテレビとして21型以下のCRTテレビを考える。しかし,消費者のこの選択はいずれはテレビの買い替えを促し,買い替えを行う消費者は主に29型の平面CRTテレビを購入しようとする,とiSuppli社は説明する。買い替え,または2台目のテレビを購入する消費者は都市部の居住者で,この消費者層はフラットパネル・ディスプレイを購入する見込みもあるという。

 また,インドでは国内および海外の企業がテレビの生産拠点を増やしており,テレビの生産量が増加している。多くの企業がインドで増産する背景には,熟練労働者のコストの低さや有資格の労働者の確保のしやすさ,免税される経済特別区の存在などがあるという。インド国内では開発途上の地域で生産拠点が建設されている。これはテレビ生産への投資を促進するためだけでなく,国民の生活を向上させるためにインド政府が提供する税優遇措置によるとiSuppli社は分析する。

 韓国LG Electronics Inc.は,近ごろインドのプネに液晶テレビの生産拠点を建設した。このほか,中国TCL Corp.がインド国内でテレビ製造を計画したり,松下電器産業が液晶パネルの生産拠点の建設に興味を持っていたりするという。

《訂正とお詫び》
記事掲載当初,2006年のテレビ消費台数は121万4100台,2011年は187万1700台としていましたが,正しくはそれぞれ1214万1000台,1871万7000台でした。ご迷惑をおかけいたしました読者の皆様ならびに関係各社には深くお詫び申し上げます。記事本文は既に訂正済みです。