図1 ライフィニティ ECO対応システムの構成
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図2 機器ごとの消費電力を表示したところ
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図3 消費電力の履歴を表示したところ
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図4 分電盤。個々の分岐回路(ブレーカー)で電流を検知
図4 分電盤。個々の分岐回路(ブレーカー)で電流を検知
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図5 「くらし安心ホームパネル」の中身
図5 「くらし安心ホームパネル」の中身
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 松下電工は,住宅の分電盤にある電気の分岐回路ごとに,電力使用量を計測・表示できる『ECO対応システム』を開発した(発表資料)(図1)。各分岐回路につながるエアコンや照明機器,IHクッキング・ヒーターといった電気設備別,リビングや寝室,台所といった部屋別に電力使用量をモニターに映し出す(図2)。リアルタイムでの表示のほか,日別や月別といった過去の使用量を比較表示できる(図3)。

 電力使用量を可視化することによって,ユーザーは電気の無駄遣いを止めたり,省エネルギーに向けて電力削減の行動を取ったりといったことが見込めるという。例えば,電力使用量の目標値を設定し,モニターで電力使用量の実績と達成状況を管理するといった使い方を想定する。同システムを組み込んだ,新築戸建住宅向け設備ネットワーク・システム「ライフィニティ ECO対応システム」を2007年10月1日から受注を始める。

システム価格は約35万円

 ライフィニティ ECO対応システムは,「くらし安心ホームパネル」という制御機器と分電盤,電力使用量の表示や操作するコントロール・パネル,宅内LAN装置から構成する(図4,図5)。ECO対応システムのほか,携帯電話機で電力使用量を把握やオン/オフ制御できる「ネットリモコンシステム」,来客画像を携帯電話機で確認できる「ネットセキュリティ玄関番システム」,家宅侵入などを携帯電話機に通報する「ネットワイヤレスセキュリティシステム」などを含む。

 ライフィニティ ECO対応システムの価格は約35万円。この価格は機器代のみであり,同システム導入時には別途施工費が必要になる。2008年度の販売目標として,2400システムを掲げる。なお,電力使用量などの表示や操作はコントロール・パネルのほか,「アクトビラ」対応テレビでも可能である。その場合,テレビ・リモコンを使って表示や操作を実行できる。

個々のブレーカーに小型電流センサを仕込む

 ECO対応システムを実現できたカギとして,松下電工は小型で薄型の電流センサを開発できたことを挙げる。これによって,分岐回路に設ける幅16mmのブレーカーの内部に電流センサを搭載できるようになった。従来の電流センサは直径20~30mmの円筒形をしていた。形状が大きいために,分岐回路ごとに電流センサを設けるとなると分電盤がかなり大きくなるので,現実的ではなかったという。このため,分電盤の主幹のみを電流センサで検知するのが精一杯だった。今回開発した小型電流センサについて,松下電工は「形状を工夫している」とするだけで,詳細は明らかにしなかった。