ヒロセ電機は,2006年度(2006年4月~2007年3月)の連結決算を発表した。売上高は1154億円,営業利益は380億円,経常利益は401億円,当期純利益は241億円で,前年度と比べてそれぞれ10.6%,3.1%,4.1%,5.5%増えた。成長率は前年度ほどではないが,売上高・利益ともに同社の過去最高を更新している。売上高営業利益率は32.9%と高水準を維持している。

 主力の多極コネクタ事業は,売上高が979億円(前年度は883億円)となり,前年度に比べて10.8%増えた。高機能携帯電話機やデジタル情報家電などのおう盛な需要が,多極コネクタ事業の追い風となった。

 同軸コネクタ事業は,通信インフラへの投資や移動体通信関連機器の需要が回復したことにより,売上高が127億円(前年度は110億円)となり,前年度に比べて15.5%増えた。

 一方で,コネクタ以外の製品をまとめた「その他事業」は,売上高が47億円(前年度は49億円)となり,前年度に比べて4.6%減っている。

 なお,2006年度の業績には,有機EL事業から撤退し,解散した連結子会社であるヒロセエンジニアリングの清算に伴う損失も計上されている。

 2007年度の業績見込みは,売上高が1220億円(前年度比5.6%増),営業利益が390億円(同2.5%増),経常利益が415億円(同3.2%増)当期純利益が250億円(同3.4%増)である。情報・通信関連やカーエレクトロニクスの分野で需要が拡大するほか,デジタル情報家電の新規需要が見込めるものの,価格競争の激化や金属材料の高騰など,同社にとって懸念材料も予測されるという。

■国内企業の最新の決算はこちらからご覧いただけます。