12回目を迎えた今回の「2007 JavaOne Conference(JavaOne 2007)」では,「Java Technology in TV:Blu-ray Disc and Cable Day」としてテレビ向けアプリケーション・ソフトウエア開発に関心を持つ技術者向けのセッションをまとめた日が設定された。主として取り上げた話題は,ケーブルテレビ向けのアプリケーション・プラットフォーム「OCAP(OpenCable Application Platform)」と,Blu-ray Disc用のアプリケーション・フレームワーク「BD-J」である。これらに対応した機器のメーカーやサービス事業者がその優位性や可能性を示し,Java技術者に参加を呼びかけた。

 「Kickoff」と題されたセッションでは,まず米Cable Television Laboratories, Inc.(CableLabs)Vice President,Advanced Media PlatformsのSo Vang氏がOCAPの狙いと過去の「Java TV」との違いを説明。OCAPは「共通でオープンなプラットフォームを作ることによって,パソコンのようにソフト業界と手を組み発展できること」を目指したという。10年前に似たようなセットトップ・ボックス向けのJavaの規約としてJava TVが提案されたことにも触れ,「当時は業界にオープンなプラットフォームを作ろうという機運がなかった。今は米国における上位6ケーブルテレビ事業者がOCAPに協力すると発表するなど,事業者が関与している。既に韓国で42万台のセットトップ・ボックスが販売済みであるなど,事情が大きく異なる」と語った。

 続いてTime Warner Cable Inc. Senior Director Strategy and DevelopmentのPhil Won氏が登壇し,同社におけるOCAPの進捗状況を説明。同社がユーザー向けに提供する「Digital Navigator」の重要なプラットフォームであるとの位置づけ,OCAP対応のセットトップ・ボックスが始まったところであると説明した。電子番組表(EPG)やゲーム,インタラクティブ広告などがOCAPアプリケーションとして提供される見込みという。

 最後に登壇したのが,米Sony Pictures Entertainment社Executive Director of Advanced TechnologyのSumit Malik氏。「ハリウッドの主要映画会社のほとんどがBlu-ray Discを採用した。2007年ここまでのBlu-ray Disc再生可能機は76万6864台で,HD-DVDとの台数比は15対7だ。今年の売り上げ上位25タイトルのうち,22タイトルがBlu-rayである」とHD-DVDに対する優位性を強調した。BD-Jを使えば,GUIフレームワークを利用した対話的なユーザー・インタフェースやネットワーク機能,ローカル・ディスクへの保存などを活用したプログラムを開発できる。GUIフレームワークは1920×1080画素,32ビット・カラー表示で,ビデオ動画の重ね合わせが可能。リモコンを使った操作を前提としたものであると説明した。