2007年3月期の決算を発表する取締役社長の渡辺捷昭氏
2007年3月期の決算を発表する取締役社長の渡辺捷昭氏
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 トヨタ自動車は,2007年3月期の連結決算を発表した。売上高は23兆9480億円,営業利益は2兆2386億円で,それぞれ前年同期に比べ13.8%増,19.2%増の大幅な増収増益。純利益も含めていずれも過去最高を更新した。

 自動車販売台数は,852万4000台で前年同期に比べ55万台の増加。北米や欧州での販売が伸びたほか,中国でも「カムリ」が好調で販売台数を大きく伸張した。特に欧州は「YARIS」や「Rav4」の売れ行きが好調で,売上高は前年同期比29.9%増の8147億円,営業利益も同46.2%増の1373億円と大幅な増収増益となった。一方,国内の販売台数は227万台と前年度(236万台)よりも減少。ただし,為替差益や輸出台数の増加により,国内の営業利益は前年同期より13%多い1兆7038億円となっている。

 販売台数の増加に加え,原価低減も増益に大きく寄与した。同社取締役社長の渡辺捷昭氏は「素材価格の高騰などコスト増加要因を原価低減で吸収し収益につなげた」として原価低減活動(VI活動)を評価。一例として,複数のECUを機能を向上させながら統合して小型化・点数削減を実現した例などを挙げた。ワイヤハーネスが減り,原料費が高騰している銅の削減効果もあるという。2008年春に発売するモデルに搭載する予定だ。

 2008年3月期の連結売上高は前期比4%増の25兆円,営業利益は微増の2兆2500億円,連結販売台数は36万6000台増の889万台を見込む。カナダ第2工場やミシシッピ工場など北米における大幅な設備投資の増大や,「環境技術や安全技術など先端・先行技術への投資は惜しまない」(渡辺氏)として研究開発投資の大幅な積み増し(前年同期比781億円増の8907億円)を計画しているが,販売台数の増加やVI活動で収益増を目指す。

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