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【等身大のチャイニーズワーカーを知る】第8回---配属先もコネ次第

海外進出コンサルタント 遠藤健治氏
2007/05/09 09:00
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 「中国には13億もの国民がいる。これほど大量の人がひしめく中で,他者よりも少しでも有利な人生を送るためには,どうしてもコネが必要。そして,そのコネを利用するためにお金が動くんだ」──。

 日系メーカーの中国現地工場に赴任して知り合った中国人の友人が,あるとき私にこう教えてくれました。私には必ずしもよい話には聞こえませんでしたが,これが「中国の現実」だとその友人は言うのです。実際,中国の国民は幼いころからこうした現実に直面しており,それゆえに,コネの活かし方も十分に熟知しているというのです。

 それを聞き,私たちの工場でもそうした不正が行われていないか厳しく見るようにしました。すると確かに,中国人の社員や作業員の間で入社から退職にいたるまで多くのコネやお金が動いていた現実があったのです。「コネとお金がその人の将来を左右する」と語っていた先の友人の言葉を思い出しました。

 新たに入社してきた中国人の作業員に対する研修を無事終え,配属を決める日のこと。私たちの工場では,研修が修了すると各課の事務員がその課で採用する作業員を研修教室まで迎えにいくことになっていました。各課の事務員がそろうと,中国人である生産管理課の課長が配属表を読み上げ始めました。そのとき,私は1人の事務員の姿に目が止まりました。品質保証部門の事務員の青さん(仮名)です。

「あれ,青さんじゃないですか。今日はどうしたのですか? 確か,品質保証部門に新人は入らないはずですよね?」
「ええ,まあ…」

 青さんは言葉を濁します。当時,私が所属していた製造部門と品質保証部門の話し合いで,生産ラインでの勤務歴が3カ月未満の作業員は,品質保証部門へは配属しないという取り決めをしていました。これには二つの理由がありました。第1の理由は,製品の扱いに慣れていない作業員に製品の検査を任せると,取り扱いを誤って製品を壊す危険があるためです。第2の理由は,品質保証部門では「検査員手当」が別途支給されることになっていたため,その手当に値するだけの優秀な作業員を配属したいからでした。

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