2006年度の概況を発表する同社代表取締役社長の森郁夫氏
2006年度の概況を発表する同社代表取締役社長の森郁夫氏
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 富士重工業は,2006年度の連結決算を発表した。自動車販売台数は微増ながら為替差益や航空宇宙カンパニーの大幅増収などにより,前年度比1.2%増の1兆4948億円と過去最高の売上高となった。総販売台数は前年度比1.1%増の約57万8000台。しかし,営業利益は,同17.9%減の479億円で減益だった。

 営業利益の最も大きな増益要因は為替レート差の138億円。原価低減なども増益に寄与したが,小型車や軽自動車へのシフトによる構成比の悪化により309億円の減益要因が響き,全体で104億円の減益となった。

 国内の自動車販売は,「ステラ」が好調で軽自動車は年度比9.9%増の14万6000台だったものの,登録車が不調で同16.9%減となり全体で1.5%の減少。海外は,アメリカでは小型車として「インプレッサ」が好調だったが,「レガシィ」「フォレスター」「トライベッカ」の販売がいずれも伸びず1.7%減となった。しかし,それ以外はインプレッサの販売が貢献し,欧州,豪州,その他地域ともに販売台数は前年度に比べて増えている。これにより海外全体では同2.9%増となった。

 ふるわない自動車に対し,好調だったのが航空宇宙事業。売上高に占める割合は6.3%に過ぎないが,前年度比14.9%と大きく伸びた。ボーイング「777」や「737」「787」向けの販売が好調だったという。

 2007年度は,増収減益の予想。販売台数の目標は,2006年度から微増(1.0%)の58万3700台とした。国内は減少の予想ながら,レガシィやトライベッカ,インプレッサのモデルチェンジなどで北米や欧州の販売増で補うとしている。「原価低減と並んで商品力の向上図る」(同社代表取締役社長の森郁夫氏)。これにより,売上高1兆5500億円を目標に掲げた。ただし,販管費や固定加工費の増加で営業利益は,129億円の減益の計画となっている。

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