東芝は,2006年度(2006年4月~2007年3月)の連結決算を発表した。売上高は対前年度比12%増の約7兆1164億円,営業利益は同7%増の約2584億円と,増収増益を達成した。

 全社の業績を牽引したのは,半導体を中心とした電子デバイス事業である。メモリ,ディスクリート,システムLSIという半導体の全事業および液晶が好調に推移したことで,電子デバイス事業の売上高は対前年度比で19%増だった。収益面では,半導体事業の営業利益は上期に649億円,下期に634億円と,2006年度通期では約1283億円となった。全社の連結営業利益の約50%を半導体事業で稼ぎ出した。「半導体事業はNANDフラッシュ・メモリの価格下落などの厳しい環境下で健闘した」(東芝)とする。

 半導体事業以外で目を引くのは,パソコン事業の大幅な回復である。パソコン事業の営業損益は,2006年度上期に約74億円の赤字だったものの,2006年度下期には一気に143億円の黒字を計上するまでに復活を遂げた。2006年度通期では,パソコン事業で約69億円の営業利益を確保した。「パソコン事業の業績は海外を中心とする販売台数の伸長に支えられた」(東芝)としている。

 東芝の部門別の損益状況を見ると,デジタル家電製品などの「デジタルプロダクツ」部門の営業利益が前年度実績より51億円少ない約158億円となった。デジタルプロダクツ部門では,前述のようにパソコン事業の収益が大幅に改善したものの,携帯電話機事業とHDD事業の減益が響いた。「社会インフラ」部門の営業利益は約968億円と,前年度より203億円増えた。電力システムおよび医用システムなどが好調に推移し,増益となったという。「家庭電器」部門の営業利益は約97億円と,前年度実績より70億円の増益となった。海外向けのエアコンや洗濯機などの事業が好調だったとする。

 東芝は2007年度の業績として,連結売上高が対前年度比5%増の約7兆5000億円,連結営業利益が前年度より16億円多い約2600億円を見込む。

■国内企業の最新の決算はこちらからご覧いただけます。