セイコーエプソンは,2006年度(2006年4月~2007年3月)の連結決算を発表した(発表資料)。売上高は前年度比8.6%減の1兆4160億3100万円となったものの,営業利益は同95.5%増の503億4300万円となった。生産コストや固定費の削減が全体の利益を押し上げたとする。

 減収の要因となったのは,電子デバイス部門と情報関連機器部門である。電子デバイス部門の売上高は前年度比15.6%減の4447億円,営業損失は前年度の97億円から悪化して,260億円の赤字となった。半導体事業とディスプレイ事業において販売数量の減少と価格下落が重なった。

 情報関連機器部門では,売上高が前年度比6.2%減の9163億円となった。減収の主な理由は,プリンタの販売数量が減ったため。ただし,営業利益は前年度比87.1%増の842億円になった。減収増益の理由として,米国などで利益率が悪い低価格帯プリンタの販売数量を絞り込んだことを挙げる。こうした低価格帯プリンタは,生産コストが割高な上に,収益源のインクの販売につながらないからだ。

 2007年度通期の見通しについては,売上高が対前年度比1.6%減の1兆3930億円,営業利益が同21.2%増の610億円の減収増益になると予想する。

■国内企業の最新の決算はこちらからご覧いただけます。