決算説明する取締役社長兼CEOのカルロス・ゴーン氏
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質問に答えるCOOの志賀俊之氏
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 日産自動車は,2006年度の連結決算を発表した。グローバルな販売実績は前年比2.4%減の348万3000台。日本が同12.1%減(74万台),米国が同4.0%減(103万5000台)となったほか,欧州でも0.2%減となった。ただし,一般海外市場は前年に比べ5.1%増えた。連結の売上高は10兆4686億円(前年比11%増),営業利益は7769億円(同10.9%減)で増収減益の決算となった。ただし,増収分のうち7676億円は,これまで暦年だった海外子会社の会計期間を3月末へ変更したため第5四半期(2007年1~3月)の実績を織り込んだことによる。

 販売台数の減少により「2006年度の実績は,日産バリューアップの目標達成に貢献しなかった」(取締役社長兼CEOのカルロス・ゴーン氏)として,同社はコミットメントの達成を1年延長すると発表した。新中期計画である「日産バリューアップ」は,2005年~2008年度の3カ年計画で ,(1)各年度においてグローバルな自動車業界の中でトップレベルの営業利益率の維持(2)2008年度にグローバル販売台数420万台を実現(3)同計画期間中平均で投下資本利益率(ROIC)20%(手許資金を除く)---が主眼となっている。しかし,2008年度に年間販売420万台を達成するのは難しくなった。ただし,同氏は「営業利益率は7.4%と高いレベルを維持しており,ポテンシャルはある」としてあくまで目標実現を目指す姿勢を強調した。

 同社は販売台数の減少要因として,新車投入時期が偏った点を挙げている。2006年度に投入した新車10車種のうち,9車種が下半期に集中したため販売台数増に対して十分に貢献しなかったが,2007年度には効果が出るとしている。北米での落ち込みについても「小型乗用車の『SENTRA』以外は目標を達成している」と今後の伸びに期待をかけているようだ。

 2007年度の見通しとしては,原材料費やエネルギー費の高騰,インセンティブの上昇などがあるものの,バリューアップ計画の実行ですべての地域で販売台数増を見込んでいる。グローバルでの販売台数の目標は370万台。今後,「Infiniti」を中国やウクライナへに投入し,2008年には西欧全域への拡大を図る。このほか,インドへの展開を強化。調達先を拡大して2007年にはグローバル調達額24%を目指すほか,ルノーとともに,Mahindra&Mahindraと提携して工場を新設する。

【訂正】記事初出時に,車名として「Infinity」との記述がありましたが,「Infiniti」の誤りでした。本文は修正済みです。

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