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米QUALCOMM社,商用サービスが始まった「MediaFLO」の運用センターを公開

2007/04/26 18:24
竹居 智久=日経エレクトロニクス
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図1 NOCが入居するビル(左側)。オフィス用途だったビルの1階部分を改装した
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図2 放送中の番組や各地の送信局の情報などを大型のディスプレイに表示できる中核部
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図3 NOCのサーバー室
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図4 3系統のネットワークを異なる色のEthernetケーブルで配線する
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図5 放送事業者から受信した映像(上段),送信局に送出した映像(中段),送信局から受信した映像(下段)をそれぞれ確認できる
図5 放送事業者から受信した映像(上段),送信局に送出した映像(中段),送信局から受信した映像(下段)をそれぞれ確認できる
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図6 どのチャンネルのためにどの程度のデータを送っているかを確認できる。送信するデータ量は刻々と変わる
図6 どのチャンネルのためにどの程度のデータを送っているかを確認できる。送信するデータ量は刻々と変わる
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 米QUALCOMM Inc.は,携帯機器向けのテレビ放送サービス「MediaFLO」に関する,日本と欧州の報道関係者向けイベントを開催した。このイベントでQUALCOMM社は,報道関係者にMediaFLOの運用センター「NOC(national operations center)」を公開した(図1図2)。2007年3月1日に大手携帯電話事業者である米Verizon Wireless社が米国で「V CAST Mobile TV」と呼ぶMediaFLOを使った携帯電話機向け放送サービスを開始したが,商用サービスの開始後にNOCを日本の報道陣に公開するのは初めてという(Tech-On!の関連記事)。

 NOCは,QUALCOMM社傘下の米MediaFLO USA Inc.が運用する。米News Corp.や米NBC Universal社,米CBS Broadcasting社といった放送事業者から衛星や光ファイバ経由でテレビ番組の映像を受信し,MPEG-4 AVC/H.264での符号化やプログラム編成などの処理を行った上で各都市の送信局に放送波を送る処理をNOCで行う。ユーザーが受信する際に必要な受信権限の情報を管理するサーバーもNOCが管理する。このためNOCでは,3系統のIPネットワークを用意しているという。(1)映像データを管理するネットワーク,(2)ユーザーの受信権限の情報を管理するネットワーク,(3)従業員がEメールの送受信などに利用するネットワーク,の3系統である(図3図4)。

 現在,Verizon Wireless社は8チャンネルの放送サービスを米国の27都市で提供している。MediaFLO USA社が利用する700MHz帯の6MHz幅では,最大で20チャンネルの送出が可能とする。このため8チャンネルの送出で余った帯域を,他の通信事業者や放送事業者らと行うテストに利用しているという。

 NOCが受け取った映像を再送信するまでの遅延時間は平均で約12秒,送信局向けにNOCが信号を送出してから端末が受信して再生するまでの遅延時間は平均で約0.5秒であるとMediaFLO USA社は説明する。NOC内部では,放送事業者から受け取った映像,各都市の送信局に送った映像,送信局から受信した映像の3種類をリアルタイムで映し出しており,こうした遅延の様子が確認できた(図5)。

 このほかNOCでは,チャンネルごとのデータ量を一定時間ごとに変えながら送信している様子が確認できた。MediaFLOは,動きが多い映像や少ない映像を効率よく束ねて送信するために,1秒ごとにチャンネルごとのデータ量を変えている。NOCでは,最大8.5Mビット/秒のペイロードのうち,どのチャンネルのためにどれだけのデータ量を送信しているかをリアルタイムで表示していた(図6)。

 MediaFLOを利用した携帯電話機向け放送サービスについては,米AT&T Inc.傘下の携帯電話事業者である米Cingular Wireless社が2007年中に開始することを明らかにしている。携帯電話事業者ごとに異なるチャンネルを送出する必要がある場合には現行の6MHz幅では不足することも考えられるが,これについてMediaFLO USA社は「帯域が不足した場合は,オークションなどの何らかの手法で新たに帯域を取得することも考えている」と説明し,需要の拡大次第でさらに投資する考えがあるとした。

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