神戸製鋼所は,2006年度(2006年4月~2007年3月)の連結決算を発表した。売上高は1兆9102億円,営業利益は2086億円を計上。前年度同期と比べてそれぞれ,14.6%の増加,5.3%の減少となった。増収に伴う利益の増加はあったが,総平均法での在庫評価による収益押し上げ効果が前年度よりも減少したことに加え,減価償却方法の変更による償却負担の増加したことが響いた。

 営業利益は減少したが,経常利益は1832億円と前年度同期から3.6%増加している。持分法適用会社の収益構造改善により営業外損益が好転したことが大きいという。

 鉄鋼関連事業では,汎用品と高級品共に需要が拡大。特に,製造業向けの高級品を中心に販売を伸ばしたという。加えて,原材料価格高騰の影響を一部転嫁できたことから,販売価格も若干上昇。同事業の売上高は8306億円と,前年度同期から9.5%増加した。一方,営業利益は945億円と前年度同期から27.7%減少した。前述のように,在庫評価による収益押し上げ効果の減少や,減価償却方法の変更による償却負担の増加が影響している。

 アルミ・銅関連事業では,販売量は前年度並みだったものの,地金高騰による販売価格の上昇に伴い,売上高が3973億円と,前年度同期から30.3%も増加。営業利益も346億円と,前年度同期から48.4%増加した。

 2007年度の業績見込みは,売上高が2兆600億円,営業利益が1780億円,経常利益が1350億円,純利益が800億円。営業利益,経常利益,純利益のすべてが減少するという見通しだ。

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