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HOMEスキルアップマネジメント > 【等身大のチャイニーズワーカーを知る】第6回---外資も驚く厳しい教育で不満解消

【等身大のチャイニーズワーカーを知る】第6回---外資も驚く厳しい教育で不満解消

  • 海外進出コンサルタント 遠藤健治氏
  • 2007/04/24 18:26
  • 1/2ページ

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 日本を含む大手外資系メーカーが中国に設けた工場に対して,厳格で効果的な管理手法を積極的に導入しました。それぞれのメーカーが,自国の工場で取り組んできた,先進的な作業員の管理方法や,ISOを代表とする品質管理手法などです。こうした影響を受け,今,多くの中国現地企業も社員教育に躍起になっています。

 その理由は,社員教育の成否が,自社の利益や成長を直接左右するから。経験と失敗を積み重ね,中国現地企業の経営陣も社員教育の大切さが骨身に染みるようになっているのです。

 というのも,中国の工場で働く作業員のほとんどは,農村部である地方からやってきた「出稼ぎ組」。ややもすると,それまで地方で自由で気ままな生活を送ってきた人たちを,企業はうまくコントロールしてきちんと働いてもらわなくてはなりません。企業という組織の中で働くには,ルールを遵守することはもちろん,社会人としてのマナーも身に付ける必要があります。そのためには,しっかりとした社員教育が不可欠なのです。こんな理由もあって中国現地企業の社員教育は実に厳しい。その場面に私は偶然立ち会いました。

 ある日,私たちは製品に組み込む汎用的な部品を低コストで調達しようと,打ち合わせのために初めて中国の部品メーカーC社を訪れました。打ち合わせは午前中の約束でしたが,思いのほか早くC社に着いてしまった私は,正門をくぐり抜けようとした時に突然,耳に飛び込んできた大音量の歌声に驚きました。何だろうと不思議に思っていると,それを察したのかC社の守衛さんが私たちを中庭に案内してくれました。

 そこで私たちが目にしたのは,きちんと整列し,背筋をピンと伸ばした姿勢で声を張り上げて歌うC社の作業員たち。守衛さんによれば,彼らが歌っているのは社歌ということです。C社が毎日行っている朝礼でした。数多くの作業員がいるにもかかわらず,一糸乱れぬさまは感動的ですらあります。こうして社歌を歌い終えると,作業員たちは大きな声を出して挨拶の練習に移ります。「ニーハオッ!」「シェシェッ!」…。そして,最後に中国人の社長が壇上に立ち,とても厳しい顔つきで作業員たちに向かって何かをしゃべっています。

 解散してすぐに,私はこの社長と打ち合わせを始めました。挨拶もそこそこに,私はたった今目にした朝礼について「いやあ,すごいですね」と切り出しました。すると,社長は鼻息を荒くしてこう答えます。 

「社員教育は決しておろそかにできません。そんなことをすれば,製品の品質を高めることも,コストを削減することも,納期を守ることもできなくなってしまいます。しかし,いきなり細かい作業方法を指導したり,作業認定の教育を施したりしても,うまくいきません。だから,まずはみんなで社歌を歌ったり,挨拶の練習をしたりしてチームワークやマナーを身に付けることから始めるのです。とにかく,地方から出てきたばかりの作業員には,初めに社員教育を受ける習慣をつけさせないといけません。そのために,我々は常にさまざまな社員教育を考え,それを実践しているのです」

 社長の言う通り,こうした厳しい社員教育の成果は現れていました。工場の管理が実に素晴らしいのです。床の上にはゴミ一つ落ちていないし,すれ違う作業員たちはきちんと挨拶を交わしています。治工具類や部品,完成した製品は,どれもあるべき所に整然と並べられています。どこを見ても,作業員たちが普段から気を付けていないとできないものばかりです。顧客が来社するから突貫で整理したものではないことはすぐに分かりました。

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