「ケータイには,いずれ体温計や血圧計といった健康情報のセンサ機能が搭載されるようになります」――。NTTドコモは2007年4月23日,「FOMA 904i」シリーズの製品発表会を開催した(Tech-On!関連記事)。この発表会において,携帯電話機の健康管理端末化の可能性に対する記者の問いに,説明員が答えたコメントである。

 最近では,個人の健康管理による予防医療(病気の予防)に注目が集まっている。政府も,増大する医療費を削減するため,予防医療の促進に向けた戦略を打ち出しつつある。こうした中,家庭において健康状態を測定する機器が今後,普及するとみられている(2006年8月28日号の特集記事「医療・健康を攻める」参照)。その一つとして,大きな可能性を秘めるのが,個人への普及が進む携帯電話機である。

 説明員によれば「ケータイの健康管理端末化は,今後の一つの方向性として当然考えている」とする。例えば,温度センサを搭載して体温を測定し,日々の変化をグラフにして分かりやすく管理するといった機能が考えられるという。体温計だけでなく,例えば外付けの血圧計や脈拍計などを用意して,測定したデータを管理するという利用方法も考えられる。

 NTTデータは2007年4月17日,携帯電話機を利用した健康管理サービスの実証実験を始めると発表した(Tech-On!関連記事)。これは,外部の健康管理用の装置で測定したデータを携帯電話機に登録するもの。だが今後は,冒頭のコメントのように,測定そのものを携帯電話機で行う時代が到来しそうだ。