世界における2007年第1四半期の携帯電話機のメーカー別出荷数とシェア
世界における2007年第1四半期の携帯電話機のメーカー別出荷数とシェア
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 米調査会社のIDC Corp.が,2007年第1四半期の世界における携帯電話機市場の調査結果を発表した(発表資料)。出荷台数は対前年同期比10.0%増の2億5640万台だった。すべての四半期で20%を超える成長を遂げた2006年に比べると,季節要因により直前四半期から13.8%減少し,市場は減速傾向だとIDC社は分析する。

 現在世界における携帯電話機の出荷台数は,振興市場の新規加入者の増加と成熟市場の買い替え需要が牽引している。新興市場では基本的な音声通話の機能と手ごろな価格が鍵となるので,メーカーは低コストの端末を供給しているが,それらは平均販売価格の下落を招いている。

 メーカー別の出荷台数シェアを見ると,首位はフィンランドNokia Corp.で,35.5%を占める9110万台を出荷した。シェアは前年同期から3.3ポイント増加し,出荷台数は21.3%増加した。出荷台数は中東地域,アフリカ地域,中国地域で直前四半期から増加し,アジア・太平洋地域では同水準を示した。Nokia社は2006年に下落した端末の平均販売価格においても89ユーロを維持した。

 2位はシェア17.7%の米Motorola社。対前年同期比1.5%減の4540万台を出荷した。3位は韓国Samsung Electronics Co. Ltd.で,シェアが13.6%。過去最高レベルの3480万台を出荷した。この出荷台数を牽引したのは,「E250」端末と「Ultra Edition」端末,特にD900モデルだという。

 4位は8.5%の英Sony Ericsson Mobile Communications AB。前年同期に4位だった韓国LG Electronics,Incを抜いて4位となった。前年同期からの出荷台数の成長率は,上位5社の中で最も大きく63.9%。2180万台を出荷した。シェアは2.8ポイントの増加である。この成長は,欧州地域,アジア・太平洋地域,南米地域での低位機種および中位機種の好調な販売によるという。同社は,新興市場でシェアを獲得するため,台湾Foxconn社およびシンガポールFlextronics社との提携に加えて,エントリ・レベルの携帯電話機の技術を提供する仏Sagem Communication社との提携を発表している。

 5位は6.2%の韓国LG Electronics社。前年同期より順位を落としたが,対前年同期比1.3%増の1580万台を出荷した。W-CDMA方式の端末などの出荷が,業績を前年同期から好転させたという。同社は,「Black Label series」の「Chocolate」端末の成功と同様に,「Shine」などを含めた高位機種に期待をかけているという。