NTTドコモは2007年4月23日,同社の主力機種「903i」の後継となる「904i」シリーズ5機種を発表した。1台で2つの番号を利用できるサービスに対応させるなど,機能面で新機軸を盛り込んだ。
同社はこの904iシリーズの投入とともに,「DoCoMo 2.0」というキャッチコピーによる大規模な広告展開を予定しており,携帯電話契約の純増数などでの苦況を挽回したい考えだ。
1台で2つの番号を使い分け
「NTTドコモはこれから大きく変わります。今まで,どんな事業者も手がけていなかったサービスにどんどんチャレンジします。皆さんの人生をバージョンアップします」。NTTドコモが開催した記者説明会では,同社プロダクト&サービス本部 マルチメディアサービス部長 執行役員の夏野剛氏が新端末を片手に熱弁をふるった。
「これまで皆さんにいろいろ言われてきました。でも,ドコモはこれで反撃します。ほかの事業者の皆さん,お覚悟ください」と,昨年から今年にかけて,携帯電話サービスの契約純増数などで他事業者の後塵を拝している状況を打開するという意気込みを語った。
今回の904iシリーズには,夏野氏が「常識を変える三つのサービス」と呼ぶ新しいサービスを用意した。それは,1)「2in1(ツーインワン)」,2)「直感ゲーム」,3)「うた・ホーダイ」である。
まず「2in1(ツーインワン)」は,1台の携帯電話機で2台分の機能を使い分けできるサービス。1台で2種類の携帯電話番号およびメール・アドレスを,モード切替という格好で使い分けできる。一方をプライベートで,もう一方を会社の業務で利用するといった用途や,交友関係によって2種類のモードを使い分けるという用途を想定する。「これで,ケータイを2台持つ必要が無くなります。固定電話契約を持たない若者層に向くと思う」(NTTドコモの夏野氏)。基本使用料は月額945円で,通話や通信料金はもう一方の契約での料金と同一になる。「2in1の実現には,端末だけでなくネットワーク側の対応が必要。他社はそう簡単に真似できないだろう。当分の間はドコモしかできないサービスだ」(NTTドコモの夏野氏)と自信を見せた。
直感ゲームは,携帯電話機に内蔵する加速度センサーやカメラの画像を使い,端末の傾きや人の動きを検知して,ゲームのユーザー・インタフェースに利用するもの。携帯電話機を傾けたり,振ったり,手をかざしたり,カメラの前で体を動かすといった手法でゲームを楽しめる。「これからは電車の中で,体をクネクネする人が続出するんじゃないかな」(NTTドコモの夏野氏)。三菱電機製の「D904i」は加速度センサーを内蔵する。一方,パナソニック モバイルコミュニケーションズ製の「P904i」とシャープ製の「SH904i」はGestureTek社の「GestureTek EyeMobile」を使い,カメラの画像から傾きなどを検知する。「今後の90系シリーズには,GestureTekのソフトを標準搭載していく」(NTTドコモの夏野氏)。
うた・ホーダイは音楽を定額で無制限にダウンロードできるサブスクリプション・サービス。「今までの音楽ダウンロードでは,1曲当たり300円程度かかり,ヘビーユーザーには負担が大きすぎた。今回のうた・ホーダイなら,特定のサイトの曲をいくらでもダウンロードできる」(NTTドコモの夏野氏)。価格は例えばナップスターのサービスでは月額1980円になるが,もっと低料金のサービスも用意しているコンテンツ事業者もいるという。このほか最大10Mバイトの容量をもつ「ビデオクリップ」や「DCMX GOLD」,「楽オク出品アプリ」などのサービスを用意している。
端末は「N904i」,「SH904i」,「F904i」,「D904i」,「P904i」の5機種。N904iは3型ワイドVGAを備えたHSDPA対応の機種。SH904iは3型ワイド・モバイルASV液晶パネルを搭載したほか,指先のスライドによって画面のスクロールなどができる「Touch Cruiser」パッド,名刺リーダー機能などを搭載した。F904iは,5機種の中で唯一ワンセグに対応し,3.1型液晶パネルを横にスライドして視聴できる。D904iは厚みが16.8mmと,5機種の中では最薄となる。P904iは,従来からのワンプッシュ・オープン機構を踏襲する端末で,カスタムジャケットのデザインを一新したことが特徴である。
「ドコモ,904iで反撃ののろし(機能概要編)」(約3分34秒)
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