滋賀八日市工場(棟屋上に210kWの太陽電池)
滋賀八日市工場(棟屋上に210kWの太陽電池)
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 京セラは,太陽電池の年間生産量を2010年度に500MWに増強する計画を発表した(発表資料)。現在の年間生産量は180MWであり,2010年度には約3倍に高めることになる。増産に向けて,2010年度までに総額で約300億円を投資し,日米欧,そして中国の製造拠点を拡充する。この増産によって,世界各地で高まっている太陽電池の需要に対応する。

 増強する生産拠点は,太陽電池セルを生産する滋賀八日市工場と,同セルを実装したモジュールを生産する4工場の計5カ所。約300億円の投資額のうち,セル生産増強に約200億円,モジュール生産増強に約100億円を当てる。約200億円を割り当てる滋賀八日市工場には毎年50億円投資し,段階的に生産量を引き上げる。モジュール工場では,主に日本市場向けの三重伊勢工場に約10億円,欧州市場向けのチェコ工場と北米市場向けのメキシコ工場にそれぞれ約40億円,そして中国市場向けの京セラ太陽エネルギー有限公司に約10億円を投資する。

 この投資によってモジュール生産は,2010年度には三重伊勢工場の年間生産量が現在の約100MWから約110MWへ,チェコ工場とメキシコ工場がそれぞれ約25MWから約150MWへ,京セラ太陽エネルギー有限公司では約30MWから約90MWに増える。海外拠点におけるモジュール生産量が大幅に増えることになる。

 今回の増強計画を策定するに当たり,京セラは国内外の材料メーカーとSi材料の供給を受ける契約を締結した。契約期間は4年を超えており,Si材料の供給について「これほどまで長期間にわたる契約を結んだのは,京セラとして今回が初めて」(同社 広報室)という。契約した材料メーカーは「国内外の複数メーカー」(同)とし,詳細は未公表。

 京セラによれば,太陽電池市場を地域別で見ると,欧州市場が4,米国市場が2,日本市場が3,アジアを中心としたそれ以外が1,という。近い将来,日本市場の比率が低くなり,それぞれの割合が4対2.5対2.5対1になるとみる。