米Apple Inc.は,2007年4月12日(米国時間)に,開発中のMac OS Xの次期版「Leopard(開発コード名)」の出荷を,当初予定の6月から10月に遅らせるとするステートメント文書を流した(同ステートメント搭載のWWWサイト)。遅延の理由は同じく同社が開発中の携帯電話機「iPhone」(Tech-On!関連記事)をスケジュール通りに出荷するため。米国で6月末とする出荷予定に間に合わせるために,Mac OS X開発チームの鍵となるソフトウエア技術者や品質管理の担当者を,iPhone開発に割り当てる。「iPhoneはこれまでのどの携帯端末より洗練されたソフトウエアを搭載するがゆえにスケジュールを守るには代償が必要だった」(同社)とする。

 Apple社は2007年6月11日~15日に開催する開発者向けイベント「World Wide Developer Conference 2007(WWDC)」に合わせて,Leopardを出荷する予定だった。Apple社はWWDCまでに「Leopardの機能は完成するが,出荷に値する品質にできない」とする。そこで最終版に近いバージョンをWWDCで見せると共に、β版を開発者に配布する。開発者はこのβ版を使ってLeopard対応のソフトウエアのテストが可能になるという。「人生にはトレードオフがある。今回我々は,正しい選択肢を取った自信がある」(同社)。