WiMAXの普及促進と互換性確保のための業界団体「WiMAX Forum」が,第4世代移動体通信システム「IMT-Advanced」に向けた取り組みを開始していることが明らかになった。インテルが2007年4月9日に都内で開催した「WiMAX」に関する説明会で述べた。

 IMT-Advancedとは,ITU-RがIMT-2000の後継と位置づけている規格で,いわゆる第4世代の移動体通信システムである。高速移動時で100Mビット/秒を,低速移動時では1Gビット/秒の実現を想定したもの。IMT-Advancedは,2007年秋にITU-Rが開催予定の世界無線通信会議「WRC-07」において,利用周波数帯が決まる予定である。その後2008年~2009年に,規格策定作業が本格化する予定。

 WiMAXの伝送規格を策定したIEEE802.16委員会は,既にIMT-Advancedへの提案作りを視野に入れたプロジェクト「P802.16m」を設立し,活動を開始している。WiMAX Forumは,この802.16mに対応したプロファイルとして「Mobile WiMAX System Profile Release 2(R2)」の策定を開始しているという。なお,現行のモバイルWiMAX(802.16e)は,「Mobile WiMAX System Profile Release 1(R1)」に相当する。R2はR1に対する下位互換性を持つほか,20MHzおよび40MHzといった,より広い周波数帯域幅の利用に対応する。

 P802.16mの特徴はモバイルWiMAX(IEEE802.16e)との互換性確保をうたっていることである。モバイルWiMAXでも採用する多元接続方式「OFDMA」を利用するほか,基地局の共用などを目指している。