対ドイツ投資の窓口を業務とするドイツInvest in Germany GmbH(IiG)は,2007年4月4~5日にドイツ・ミュンヘンで開催された光起電力に関する展示会「The International Photovoltaic Technology Show 2007」に出展したことに伴い,ドイツにおける太陽光発電産業を展望した。同社によると,ドイツは世界の太陽光発電量シェアの55%を占め,世界最大の市場であるという。概要は,以下の通り。

ドイツで設置された太陽光発電機の発電量は累計で2500MWp。ドイツにおける太陽光発電産業の市場規模は2006年で38億ユーロ,2008年にはこれより20%成長すると予想される。

 ドイツ政府は長年わたり,継続的に使用可能なエネルギーの利用を推進しており,最近では欧州連合(EU)も,連合国内で消費するエネルギーにおいて,継続使用可能なエネルギーの利用比率を高める政策を採っている。2020年までに,CO2排出量を20%削減することになっており,EUで供給されるエネルギーのうち継続使用可能なエネルギーの構成比率は20%増となることが目標とされている。ドイツ政府は2000年に継続使用可能なエネルギーに関する法律「Erneuerbare Energie Gesetz(EEG)」を成立させた。この法律は,ドイツにおける太陽光発電を奨励し,従来の方法で供給される電力よりも,太陽光発電による電力が高い単価で取引されるように定めている。太陽光発電の促進を目指す他国の法制化のモデルになっている。

 政府の奨励策や,Fraunhofer-Gesellschaft zur Forderung der angewandten Forschung e.V.Max-Planck-Gesellschaft zur Frderung der Wissenschaften e.V.(MPG)といった研究機関があるドイツは,太陽光発電産業の投資先として適しているという。太陽光発電パネル・メーカーの米First Solar, Inc.も,近くフランクフルト/オーデル地域に拠点を開設する予定である。