台湾経済部のLin氏
台湾経済部のLin氏
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 世界のパソコンの供給基地であるのと同様に,台湾は世界のWiMAX関連製品の供給基地になろうとしている。WiMAXを中心とする「m-Taiwan」という官民の一大プロジェクトを主導する台湾経済部の担当者が,2007年4月4日からパシフィコ横浜で開催された「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2007」にあわせて来日し,プロジェクトの狙いを語った。

モバイルWiMAXを中心に


 m-Taiwanは,WiMAXの市場拡大にあわせ,台湾の産業競争力を拡大するために進めているという。「m-Taiwanは,WiMAXを中心とする機器の開発/販売と,応用サービスの実現を目指して活動しているものだ。機器の産業の発展と,台湾における無線通信サービスの発展を目指している。もともと台湾は,世界のパソコン関連製品の供給基地として成長してきた。しかし,パソコンなどIT分野は,今後急速な成長は望めそうにない。今後はパソコン以外の軸が必要だ。WiMAXは,将来大きな成長が期待できる市場だ。台湾はWiMAXでどんどん先に行きたい。世界のパソコン供給基地であるのと同様に,世界のWiMAX関連製品の供給基地になることを狙っている」(m-Taiwanを推進する,台湾Committee of Communications Industry Development Ministry of Economic Affairs,Project ManagerのSally Lin氏)。

 主役となるのは,パソコン関連製品を手がけていた多数のメーカーである。「Accton社やASUSTek社,Foxconn社,MiTAC社,ZyXEL社など多数が,政府のサポートのもとに開発と製造を進めている。現在は固定通信向けのIEEE802.16d向け製品を開発しているが,将来中心となるのは,移動体通信にも対応するモバイルWiMAX(IEEE802.16e)だ。パソコン向けのカード製品のほか,アクセスポイントや,基地局までも手がける。自社ブランドおよびOEM供給の両方に対応する。既に2006年の生産台数は21万台に達しており,世界の約55%を占める」(Lin氏)。

 台湾は無線LANでも同様のプロジェクトを推進しており,今後はWiMAXに注力していくという。2007年5月には,WiMAX関連の大型イベントを台湾で開催するほか,WiMAXの相互接続性の認証施設の設立も積極的に進めるという。