【テクノ展プレビュー】安川電機,整定時間が4ms以下と短いACサーボを発売
安川電機は,位置決め整定時間を4ms以下と短くできる汎用ACサーボ「Σ-V」(シグマ・ファイブ)シリーズを発売する。サーボアンプの速度周波数応答は1600Hzと,現行シリーズの「Σ-III」の600Hzに対して大幅に高めたほか,サーボモータ側には分解能20ビットのエンコーダを搭載(従来は17ビット)することなどでサーボの制御性能を向上させた。半導体製造装置や同検査装置,液晶パネル製造装置,電子部品実装機,ロボットなどへの搭載を狙う。
位置決め整定時間とは,位置決め指令を終えてから要求誤差範囲の中に位置が収まるまでの時間を指す。「300mmという大口径ウエハーともなると,1枚に1万個近くのLSIが形成されることがある。これらのLSIに次々にプローブを当てる検査工程などを考えてもらえれば,位置決めの速さと正確さが半導体の生産性を大きく左右することが分かってもらえると思う」(同社 取締役 モーションコントロール事業部長の沢 俊裕氏)。
サーボアンプの速度周波数応答を高められたのは「制御ソフトウエアの改良と,新規に開発したASICを搭載したことが主な理由」(同社 モーションコントロール事業部 東京工場長の吉田一昭氏)という。ASICの規模は,従来機用では5万ゲートほどだったが,今回の新機種用は約10万ゲートで,内部動作周波数は100MHzを超える。状態観測器(オブザーバ)による制御を高速に行うなどの機能を新ASICやマイクロプロセサなどの演算により可能とした。
3段階の調整メニューを用意
サーボを機械に組み付けた後の調整の手間も減らせるように工夫した。一般にサーボモータは組み付けた後で,各種のゲインやデジタル・フィルタの係数といった多くのパラメータ調整が必要で,専門家が時間をかけて行うことも多かった。このため最近,ACサーボ・メーカー各社はパラメータの自動調整機能を前面に打ち出してきている。同社はそれをさらに推し進め,用途やユーザーの事情に応じて3段階の調整を使い分けられるようにした。
第1段階は,サーボを取り付けるだけでユーザーはまったく調整をしなくて済む「新調整レス機能」である。動作中にサーボ側で制御パラメータを自動調整する。その代わり,位置決め整定時間は100ms〜150msと長くなる。第2段階は「新アドバンストオートチューニング機能」を使うもので,一度調整を実行すれば済む。現行機種の「Σ-III」シリーズのアドバンストオートチューニング機能を発展させた機能で,ノッチフィルタの自動設定機能や摩擦補償機能などを盛り込んだという。これをすることで,位置決め整定時間は10ms程度に縮まる。第3段階は「新ワンパラメータチューニング機能」を使うもの。これも現行の「Σ-III」シリーズの機能を発展させたもので,ひとつのパラメータだけを人手で調整することで位置決め整定時間を最短化できる。これにより位置決め整定時間は4ms以下になる。
今回のΣ-Vシリーズは,当初から低慣性のサーボモータ,中慣性のサーボモータなど,さまざまな種類がある。価格は,例えば低慣性のモータで出力50Wの「SGMAV-A5」(最高回転速度6000rpm)と200Vのサーボアンプ「SGDV-R70A」のセットで16万円,同750Wの出力のモータ「SGMAV-08」(同6000rpm)とサーボアンプ「SGDV-5R5A」のセットで30万円。発売日は2007年4月23日である。指令形態はアナログ電圧・パルス列タイプと「MECHATRO-LINK II」経由のタイプに対応している。
なお今回の製品は,CE規格やUL規格,RoHS指令,Safety Stop-0などに対応しており,世界各地で使うことができるという。同社は2007年4月18日に開催される「TECHNO-FRONTIER 2007」などに今回の製品を出展する。
日本を元気にする 人づくりと新産業のビジネスチャンス
【12/3開催】トヨタ流の人づくりを教えてきた元トヨタ自動車の肌附安明氏が,有望な新しい技術やビジネスの芽を提示。発想方法や人づくりについても解説します(詳細はこちら)。


















