スウェーデンのEricsson社は2007年3月27~29日に開催されたCTIA Wireless 2007で,W-CDMAの後継技術であるLTE(long-term evolution)を実装したシステムの実演を試みた。しかし,少なくとも展示会の2日めと3日めに当たる28~29日の大部分は原因不明のトラブルでシステムがダウンし,実演を公開することができなかった。「展示会初日の27日は確かにシステムは動いていた」(同社)と説明する。FCC(米連邦通信委員会)の規制によって電波の出力に制限があったため,通信距離は数mと短いものの,電波を実際に飛ばしたデモを披露する企画だった。

 Ericsson社が実演を試みたのは,2×2 MIMOを実装し,周波数チャネルとして2.6GHz帯の中で上り下りそれぞれ20MHzを用いた通信。下りの伝送速度は最大で144Mビット/秒になるという。「伝送速度は,4×4のMIMO技術を用いることで約300Mビット/秒も実現可能」(同社)。

 Ericsson社によれば,LTEは2007年末には仕様の策定が完了し,2009年には仕様を実装した機器が利用可能になる見通しという。