回路図を共有し,磨き上げるコミュニティ・サイト「@ele」,サービス開始
「電子系のものづくりのデータベースを作りたかった」――。電子技術者向けコミュニティ・サービス「@ele(アットマークエレ)」を2007年4月2日から開始するインフローの田坂正樹代表取締役は,その狙いをこう語る。@eleは登録会員のみがコンテンツを見たり,登録したりできる,いわゆるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)。無料で利用できるが,入会には既に会員になっている人からの招待が必要である。
@eleの特徴は,会員が登録した回路図に対して,他の会員がコメントを書き込んだり,評価ポイントを与えたりといったことができる点。回路図は図面のイメージ・データだけでなく,Gerber形式ファイル,実際のプリント基板の写真などの形で公開できる。回路図に付随して,その回路で使用する部品の型番,メーカー名,利用分類,最終製品のデータを登録する。
回路図を中心とした共創のプロセス循環を目指す
他の会員はこれらを基に検索して,回路図を見つけ出す。その図面を見て,実際に回路を作った場合は,製作したうえでの「満足度」,作業の「難易度」,動作の安定性を確認したかどうか,確認した場合はその「安心感」を5段階でそれぞれ評価できる。こうした回路設計者と他の会員との回路図を媒介にしたコミュニケーションにより,よりよい回路図を作成したり,多くの人に評価によって優れた回路図が選び出されていくといったプロセスが働くことを期待している。
とはいえ,会員に回路図を公開しようというモチベーションがなくてはコミュニティは活性化しない。そこで,@eleでは,回路図を登録した会員に対してインターネット上のポイント・サービス「ネットマイル」によるインセンティブを用意している。回路図を登録すると100マイル,その回路図に対して他の会員から星4つの評価が付いたら8マイル,星5つの評価だったら10マイルが付く。たまったマイルはインフローが2002年から提供しているプリント基板のネット通販サイト「P板.com」で利用することもできる。
インフローでは長期的には,@eleでの成果を物販に結びつけていく構想を描いている。@eleで高評価を得た回路図から実際に基板を起こし,キットとして@ele上で販売する。その回路図の設計者には,売り上げに応じた報酬が分配される。「今の学生はアナログ回路のことを知らず,いきなりデジタル回路に取り組んでいる。一方で,2007年に大量に定年退職する人の中には,アナログ回路なら人には負けないというエンジニアが大勢いるはず。両者が@eleで結びついて,電気・電子系エンジニアの知が集積したナレッジベースとなればいい」と田坂氏は力を込めた。












