世界における携帯型メディア・プレーヤーとMP3プレーヤー市場の出荷台数と出荷金額の予測
世界における携帯型メディア・プレーヤーとMP3プレーヤー市場の出荷台数と出荷金額の予測
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 米iSuppli Corp.が携帯型メディア・プレーヤーおよびMP3プレーヤー市場の予測を発表した(発表資料)。2005年の世界における携帯型メディア・プレーヤーとMP3プレーヤーの合計出荷台数は1億2870万台。2007年は,前年比21.8%増の2億1690万台を見込む。2005年から2011年までの年平均成長率は13%で,2011年には2億6860万台が出荷されると予測する。

 この成長の主な要因は,携帯型メディア・プレーヤーおよびMP3プレーヤーが,ウェブへの接続に関して他の家電製品より優れていることだという。ユーザーは,迅速かつ容易にコンテンツを視聴したり,手に入れたり,共有する事ができる。加えて,利用できるコンテンツが増加したことや,部品のコストが低下し,消費者にとって値段が手ごろになったことも要因とする。

 iSuppli社は,消費者がウェブ上で動画を利用する機会の増加が, 携帯型メディア・プレーヤーの出荷数を音楽再生のみのMP3プレーヤーよりも急速に増加させると分析する。2011年には,携帯型メディア・プレーヤーとMP3プレーヤーを合わせた出荷数のうち,66%を携帯型メディア・プレーヤーが占めるという。

 携帯型メディア・プレーヤーとMP3プレーヤー市場の拡大と同時に,有料のデジタル・コンテンツの市場も拡大している。世界におけるブロードバンド接続の有料デジタル動画市場は,2006年には3億米ドルだったが,2010年には45億米ドルに達する見込みという。ブロードバンド接続の音楽市場に関しては,2006年の16億米ドルから2010年には50億米ドルにまで成長すると予測する。

 しかし,携帯型メディア・プレーヤーとMP3プレーヤー市場は,今後取り外し可能なメモリによる買い替えサイクルの長期化と音楽や動画が再生できる携帯電話機との競争などに課題を抱えるとする。出荷額は2007年には前年比14.4%増の206億米ドルを見込むものの,その後は出荷台数の増加に比べると伸び悩み,2011年でも215億米ドル程度に留まると予測している。

 携帯型メディア・プレーヤーとMP3プレーヤーのコントローラやSoC(system on a chip)には,米SigmaTel Inc,や米NVIDIA Corp.などの製品が搭載されている。これらのメーカーは過去数年の間に成長し,市場で大きなシェアを占めるようになった。しかし,今後プレーヤーの出荷数は増加するものの,メーカー数の増加による競争の激化などが影響して,価格低下による売上高の減少を招くと予測する。コントローラの売上高は2007年にはピークの7億4900万米ドルに達するが,2011年には5億2600万米ドルまで減少するという。