アダプテックジャパンは,SATA(serial ATA)とSAS(serial attached SCSI)のいずれにも対応できるRAIDコントローラ・ボード「Adaptec RAID 3405」など5種類の新製品を発表した。いずれも,同社のASIC「AIC-9410W」と米Intel Corp.の入出力プロセサ「Intel 80333」(XScaleコアを内蔵)を搭載している。
従来からSATAとSASの両方に対応できる製品はあったが,今回は(1)ロープロファイル(MD2サイズ)品を初めて用意した,(2)初めて12ポート品および16ポート品を用意した,(3)「Path failover on PCI RAID controller」と呼ぶ耐障害機能に対応した(後述),といった点に加え「価格体系を見直した」(アダプテックジャパン)。具体的な価格は,オープン価格という理由から明らかにしなかったが「(高価だった)SAS対応のRAIDコントローラの価格帯ではなく,(比較的安価な)SATA対応品の価格帯で提供する」(米Adaptec, Inc.のDirector, Branded Product MarketingのSuresh Panikar氏)。同社はこれに合わせて,SATAとSASの両方に対応できる製品を「Unified Serial」という共通のブランドを冠して呼ぶことにしたという。
インタフェースとしてSASを採用したハード・ディスク装置(HDD)は,主に高速応答と高信頼性が求められる情報システムに用いることが多い。これに対してSATA対応のHDDは,大容量で低価格という特徴がある。今回のようなSATA/SAS両対応のRAIDコントローラを使うと,SATA対応HDDとSAS対応HDDの組み合わせによる,いわゆる階層化ストレージを構成しやすくなる。階層化ストレージにおいては,頻繁にアクセスするデータはSASディスクに記録し,頻度はそれほどでもないが長期保存やしばしばオンライン的な呼び出しが必要なデータはSATAディスクに配置するといったことを行うが,両対応であれば1種類のバックプレーンでSASディスクとSATAディスクの比率を変えられるなど,システム設計の自由度が上がるからである。
今回発表した製品のうち,ロープロファイルの製品は3品種ある。前述した「Adaptec RAID 3405」と「同3805」「同3085」である。
3405は,筐体に内蔵するHDDをつなぐためのボードで,ポート数は4である。ホストとは4レーンのPCI Expressで接続する。XScaleプロセサの動作周波数は500MHz。DDR IIモード付きのDRAMを使ったキャッシュ・メモリの容量は128Mバイトである。この3405のポート数を8に増やしたのが3805である。一方,3085は,8ポートで外部ディスクボックスを接続するためのボード。エクスパンダによる拡張を考慮し,PCI Expressは8レーンに拡張,XScaleプロセサの動作周波数は800MHzとし,キャッシュ・メモリ容量も256Mバイトに増やしている。
あと2つの新製品は「同31205」「同31605」で,いずれもいわゆるハーフサイズのボードで,内蔵HDDの接続を対象にしたもの。両者の違いは,31205が12ポート品,31605が16ポート品という点である。
なお,Path failover on PCI RAID controllerは,HDDとRAIDコントローラ・ボードを接続する信号線を2重化しておき,どちらかの信号線に不具合が起きても,自動的に信号線を切り替えて障害を回避する仕組みである。「ARC(Adaptec RAID code)」と呼ぶソフトウエアに新たに実装された機能で,今回の5品種はいずれもこの機能に対応できる。
このほか,アダプテックジャパンは今回,PCI Expressに対応したUltra320 SCSI(パラレルSCSIの最高速版)に対応したボード「SCSI Card 29320LPE」も発表した。1レーンのPCI Expressでホストに接続するボードで,磁気テープ装置などをPCI Expressで接続したいといった用途に向けて製品化したものである(RAIDには対応しない)。
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外部8ポートをもつ「Adaptec RAID 3085」の外観。青い樹脂部品と黒い放熱フィンに覆われているのはXScaleプロセサである。
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3805の裏面。左に見える大きなLSIパッケージがASICの「AIC-9410W」である。
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記者発表会でHDDの動向について話した日本シーゲイトのフィールドアプリケーションエンジニアリング部シニアマネージャーの佐藤之彦氏が示した,パラレルSCSIとSASの対比表。