図 対応するレジスターは2006年度にセブン-イレブン全店に配備済み。nanacoカードは発行手数料300円が必要。手数料は主に非接触ICカードのコストとしている。
図 対応するレジスターは2006年度にセブン-イレブン全店に配備済み。nanacoカードは発行手数料300円が必要。手数料は主に非接触ICカードのコストとしている。
[画像のクリックで拡大表示]

 セブン&アイ・ホールディングスが非接触型ICカードを利用した電子マネー・サービス「nanaco」を2007年4月23日から開始する(ニュース・リリース)。まずは東京都内のコンビニエンス・ストア「セブン-イレブン」約1500店舗でサービスを始める。2007年5月14日からそのほかの関東,東北地区の約4730店舗で,5月28日からは北海道,関西,九州,中国などそのほかの全地区の約5500店舗でサービスを開始する予定。2007年度で1000万枚の発行を見込む。

 同社は記者発表会の中で,「Suica」や「Edy」といった既存の電子マネー・サービスの相互運用を計画していることについて言及した。ただし,同社の現在の計画を見る限り,相互運用が始まるのは少なくとも半年以上先になる。相互運用開始までに関係各社と決済手数料などの経済的な条件を交渉するという。

 当初の半年はセブン-イレブンでのnanaco運用に専念,その後の2007年秋以降,同じグループ内のスーパー「イトーヨーカドー」180店舗やファミリー・レストラン「デニーズ」586店舗,外部企業の商店などにnanacoを展開する。同じく2007年秋以降に,ポストペイド(後払い)型の電子マネー・サービス「QUICPay」の提供も始めたいとする。

 nanacoサービスには非接触ICカードの規格としてSuicaやEdyと同じフェリカネットワークスの「FeliCa」を利用する。まずは,プラスチック・カードの「nanacoカード」と,いわゆる「おサイフケータイ」を利用する「nanacoモバイル」の2種類を用意する。nanacoモバイルは対応する携帯電話機に専用のアプリケーション・ソフトウエアをダウンロードして組み込むことで機能するようになる。nanacoモバイル用アプリケーション・ソフトウエアは,NTTドコモでは2007年4月10日から,KDDIでは4月12日からダウンロードできるようになる。

 チャージはセブン-イレブンのレジスターで行う。チャージに関しては,チャージ情報がレジスターからnanacoシステム運用センターへと送られるオンライン方式を採用した。偽造を防止対策とする。通信には光ファイバー網を利用することで,約1秒でチャージできるという。支払い時の情報は一旦カードの情報のみを書き換えるオフラインで処理され,1日毎にnanacoシステム運用センターへ情報が送られることになっている。