CTIA Wireless 2007の巨大な文字が会場の「Orange County Convention Center」に登場
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 北米最大の携帯端末と技術の展示会「CTIA Wireless 2007」がいよいよ2007年3月27日に米国フロリダ州オーランドで,開幕する。今回の話題の中心は,携帯端末向けの放送型サービス,そしてモバイルWiMAXである。放送型サービスを牽引するのは米QUALCOMM Inc.が推進する「MediaFLO」である。一方,モバイルWiMAXは米Intel Corp.などが牽引している。

 この二つは,米国ではQUALCOMM社とIntel社の競争を超えて,大手通信事業者の命運をかけた競争に発展しつつある。具体的には,MediaFLOは,現在までにCBSやNBC,ESPN,FOX,MTVといった放送コンテンツ大手が参加し,米Verizon Wirelss社がすでにサービスを始めている。2007年秋には米AT&T Inc.などもサービスを開始する予定で,大手通信事業者3社のうちトップ2社がMediaFLOを始めることになる。

 もう一つの話題の中心であるモバイルWiMAXにも,MIMO機能などを備える「Certificate Wave 2」には放送型サービスの機能もあり,米国の第3の通信事業者である米Sprint Nextel社が採用する。同社はこのタイプのサービスではVerizon社などより少なくとも1年出遅れた格好になる。

 一方で高速データ通信サービスでは,Sprint Nextel社がモバイルWiMAXを採用することでAT&T社やVerizon社に先んじる形になる。今回のCTIA Wirelessには,Sprint Nextel社を始め,基地局や端末を開発する米Motorola,Inc.や仏Alcatel Lucent社,NEC,ドイツInfineon Technologies AG,韓国Samsung Electronics Co.,Ltd.,などの責任者が終結する見込みである。

 QUALCOMM社も3G仕様の高速化を進めているが,米国ではモバイルWiMAXに遅れをとっているのは否めない。

 今回のCTIA Wirelessは,新しい端末や技術の登場に加えて,3大通信事業者の戦略がこれらの技術の行方を決める大きな転換点になる可能性がある。