2006年第4四半期におけるメイン・ディスプレイのメーカー別出荷枚数シェア
2006年第4四半期におけるメイン・ディスプレイのメーカー別出荷枚数シェア
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 米DisplaySearch社は,2006年第4四半期の携帯電話機向けディスプレイの世界市場調査の結果を発表した(発表資料)。メイン・ディスプレイの出荷数は2億9760万枚,サブ・ディスプレイの出荷数は6790万枚だった。メイン・ディスプレイとサブ・ディスプレイを合わせた出荷枚数は,直前四半期比で3%増,前年同期比で7%増だった。

 2006年の携帯電話機の出荷数は11億台を上回ったにも関わらず,ディスプレイ・メーカーの収益増加には結びつかなかった。携帯電話機向けディスプレイ市場の売上高は,前年同期比10%減の28億米ドルだった。これは平均販売価格(ASPs)が前年同期比で18%も減少していることによる。ただ過去3年間,ディスプレイ・メーカーを苦しめたASPsの急激な低下は落ち着きを見せて始めている。2007年のASPsの下落幅は10%以下を見込む。同社は,2007年第1四半期に季節要因でディスプレイ市場の売上高が25億米ドルを割り込み減少するものの,年末には出荷枚数の増加とともに市場全体の売上高も増加すると予測する。

 2006年第4四半期のメイン・ディスプレイのメーカー別出荷枚数シェアを見ると,首位は韓国Samsung SDI Co.,Ltd.。前年同期比7%増の5200万枚を出荷し,17.5%のシェアを占めた。2位のシャープは,前年同期比47%増の3650万枚を出荷して12.3%となった。Samsung SDI社とシャープは,第3四半期に比べてシェアを伸ばした。3位のエプソンイメージングデバイス(旧社名:三洋エプソンイメージングデバイス)は前年同期比1%減の3410万枚を出荷し,11.5%を獲得した。4位は11.4%の台湾Wintek Corp.,5位は7.2%の台湾TPO Displays Corp.となった。

 技術別に売上高のシェアを見ると,アモルファスSi TFT液晶ディスプレイが首位で49.4%を占める。DisplaySearch社は今後半年間,首位の技術に変動はないと予測する。2位はLTPS TFT液晶ディスプレイで26.8%。以下,3位のCSTNディスプレイが19.2%,4位のMSTNディスプレイが4.1%,5位の有機ELディスプレイが0.3%と続く。上位5位までの技術の中では,LTPS TFT液晶ディスプレイだけが,前年同期と比べて売上高を増やした。電気泳動方式ディスプレイは今回の調査で初めて登場した技術で,米Motorola Inc.向けに2006年第4四半期から出荷された。

2006年第4四半期における技術別売上高とシェア,成長率(単位:百万米ドル)
2006年第4四半期における技術別売上高とシェア,成長率(単位:百万米ドル)
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