ヤマハは2007年9月30日をメドに,電子金属事業の子会社ヤマハメタニクス(静岡県磐田市)と関連会社ヤマハ・オーリンメタル(同)の株式をDOWAメタルテック(東京都千代田区)に売却する(発表資料)。ヤマハメタニクスの保有株式90%(発行済み株式の90%でもある)と,ヤマハ・オーリンメタルの保有株式100%(発行済み株式の50%)を売却する予定だ。

 ヤマハによれば,ヤマハメタニクスは主力のリードフレーム材の需要減退を受けて業績が低迷,同社単独では新製品の開発や競争力の強化が難しい状態にあったという。2005年度の業績は,売上高が前年度比2.6%増の126億8200万円,経常利益は同44.3%減の4億5700万円だった。

 売却先のDOWAメタルテックはもともとヤマハメタニクスと取り引きのあった企業で,主に自動車向けコネクタ材料などの伸銅製品を扱っている。半導体パッケージ向けの金属材料を得意とするヤマハメタニクス,電子部品材料を得意とするヤマハ・オーリンメタルを傘下に収めることで事業の幅を広げる考え。さらに,ヤマハ・オーリンメタルを通じて,ヤマハ・オーリンメタルに50%出資している米国最大の伸銅メーカーOlin Corp.の合金開発力を得ることも狙いのひとつだ。