2006年半導体メーカーの売上高ランキング
2006年半導体メーカーの売上高ランキング
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 米iSuppli Corp.が2006年の半導体メーカーの売上高ランキングを発表した(発表資料)。注目されるのは,米Advanced Micro Devices Inc.(以下,AMD社)と米Intel Corp.だという。AMD社が売上高を倍増させた一方,Intel社は売上高を減少させて低迷した。

 2006年のIntel社の売上高は対前年比11.1%減の315億米ドルで,2004年の売上高342億米ドルより低い水準となった。シェアは12.1%まで低下した。マイクロプロセサとフラッシュ・メモリの各市場においてライバル企業の台頭による圧力に直面し,2006年の両事業の売上高の合計は,2003年以来の低水準だったという。

 一方,AMD社の売上高は対前年比91.6%の増加となった。この成長は,グラフィックス向けチップを手掛けていたカナダATI Technologies, Inc.の買収やマイクロプロセサ市場のシェアの拡大などによるという。パソコン向けマイクロプロセサの売上高は対前年比で35.5%上昇し,シェアは同5ポイント増の16.1%となった。半導体市場の売上高ランキングにおけるAMD社の2006年の順位は,2005年の15位から8位へと上昇した。

メモリ分野が成長

 2006年は,メモリ・チップ・メーカーが好調な業績を示したという。韓国のメモリ・メーカーであるHynix Semiconductor Inc.の売上高は対前年比で41.5%増加し,2005年の11位から7位まで順位を上げた。同社のメモリ分野の売上高は前年から23億米ドル増加し,メモリの売上高を18億米ドル増加させた韓国Samsung Electronics Co. Ltd.の成長を凌いだ。

 2006年の半導体メーカー上位25社の中で,最も急成長したのはエルピーダメモリだった。エルピーダメモリの売上高は,対前年比で98.6%増加した。結果として,エルピーダメモリの順位は2005年の28位から2006年には19位に上昇した。

 台湾ProMos Technologies Inc.や台湾Nanya Technology Corp.,台湾Powerchip Semiconductor Corp.も顕著な成長を見せた。メモリICの市場規模は前年と比べて22.7%増加し,2006年の半導体産業を牽引した分野となった。DRAM市場は,予想を上回った第4四半期の売上高によって,2006年の年間成長率を35.2%まで押し上げた。

上位10社に入れ替わりが発生

 上位25位以内ではHynix Semiconductor社,エルピーダメモリ,米Spansion Inc.,米Qualcomm Inc.,米Broadcom Corp.,米NVIDIA Corp.が売上高において,対前年比24%以上の成長を示した。

 Hynix Semiconductor 社とAMD社の順位の上昇は,1990年代初期から上位10社を維持していたドイツInfineon Technologies AGとNECエレクトロニクスと入れ替わる形となった。Infineon Technologies社は,2006年にメモリ部門がスピンオフしてドイツQimonda AGを設立したために,上位10社から転落した。Infineon Technologies社とQimonda社が分裂していなければ,両社を合計した売上高の前年からの成長率は26.9%となり,2006年の順位は4位になるという。分社したことによりQimonda社は12位, Infineon Technologies社は14位の結果となった。

 半導体市場全体としては,売上高が対前年比9.3%増の2602億米ドルだった。Intel社を除く上位5社は11%以上の成長で,半導体市場全体の年間平均成長率を上回った。また,今回iSuppli社が調査した250社のうち76%の190社が売上高を増加させ,そのうち,128社が2ケタ成長になったという。