韓国Samsung Electronics Co.,Ltd.は,高機能フラッシュ・メモリ「OneNAND」の2006年生産量が前年比130%増の1億1700万個(512Mビット品換算)になったと発表した(発表資料)。OneNANDは,NAND型フラッシュ・メモリとバッファ用SRAM,ロジック回路を1パッケージに集積したもの。NOR型フラッシュ・メモリのインタフェースを備え,高速アクセスを特徴とする。携帯電話機,デジタル・カメラ,ハード・ディスク・ドライブ(HDD)にキャッシュとしてフラッシュ・メモリを搭載した“ハイブリッドHDD”,HDTV用セットトップ・ボックスなど,携帯型/小型機器への組み込み用途に向けている。

 OneNANDの読み出し速度は,最速で108Mバイト/秒。他のNAND型フラッシュ・メモリに比べ,4倍の速さという。書き込み速度は,最速17Mバイト/秒で,多値セルのNOR型フラッシュ・メモリに比べ34倍の速さとしている。カメラ付き携帯電話機で,500万画素のデジタル写真を500枚保存し,滑らかにスクロール表示するといったことが実現できるとする。OneNANDを用いれば,携帯電話機の場合,立ち上がり速度を20%高速化できると試算している。

 同社によれば,世界の無線通信機器メーカー上位5社のうち3社が,量産段階にある高集積製品にOneNANDを採用している。OneNANDを採り入れた携帯型機器は120を超えるとした。

 OneNANDの消費電力は,同等のNOR型メモリに比べ,最大60%低い。容量は,256M~2Gビット。Windows Mobile(CE)5.0やSymbian,Linuxなど,携帯型機器で用いられる様々な主要リアルタイムOSに対応している。