矢野経済研究所は,ハイブリッド車(HEV)の世界販売台数が2005年の32万台に対して2015年には537万台に達する可能性があると発表した。2006年5月~8月に実施した自動車用蓄電池の市場調査に基づく予測という。

 矢野経では,従来は小型車が多かったHEVの車種がRVやSUV,大型車や高級車にまで広がってきたことや,環境への負荷の低減に対する社会的圧力が強まっていることなどを背景に,HEVの市場拡大を予測している。2007年の市場規模は台数ベースで前年比28%増の49万9000台,金額ベースで同34%増の483億6800万円となる見込み。2008年は台数ベースで2007年の1.5倍に,金額ベースでは1.6倍になる見通しだ。代替方式などが登場せず,現在の趨勢に大きな変化がない場合は,2015年の市場規模は台数ベースで2005年の約16倍に達すると見通す。


HEV販売台数の推移(矢野経済研究所の推定)

 HEVに採用される電池は,現状ではニッケル水素(Ni-MH)電池が主流だが,体積や重量が大きいためにレイアウトが制限されたり燃費が悪くなったりという問題があり,代替電池の開発がメーカー各社で進められている。矢野経では,今後はLiイオン電池の本格採用が進むとみており,早ければ2007年,遅くとも2010年にはLiイオン電池搭載のHEVが市場投入されると予測する。2015年にはHEVの約2/3に採用される可能性もあるとした。