ワンセグ視聴に対応する携帯電話機の内部構造を,X線CT装置を使って撮影した。2回目となる今回は,ディスプレイ側の画像である(第1回目の記事はこちら)。
撮影した携帯電話機は,日立製作所がKDDI向けに出荷する「W43H」。液晶パネルの背面に実装する部品は,かなり少ない。これは,ヒンジ部を通すケーブルの本数を減らすためである。撮影は島津製作所に協力を要請,同社の産業用X線CT装置のマイクロフォーカスX線CTシステム「SMX-225CT-SV3」を使った。
ディスプレイ部の内部を見ると,当然のごとく,液晶パネルの面積の大きさが目立つ。この大面積の液晶パネルを薄くすることで(1)稼いだスペース(液晶パネルの背面)に多くの回路/基板を集積させる,(2)ディスプレイ側の筐体の厚さをより薄くする,といった二つの手法が採れる。NTTドコモが先日発表した厚さ11.4mmと薄い2機種のうち「FOMA P703iμ」は(1),「FOMA N703iμ」は(2)の手法を採用して,それぞれ端末の薄型化を図っている(関連記事)。
ディスプレイ側の筐体を覗いた(約1.4M) |
液晶パネル・メーカーは,携帯機器メーカーの薄型化の要求を受けて,2008年に厚さ1mm以下のパネルを実用化する取り組みを進めている(日経エレクトロニクス2007年2月12日号の特集記事「薄型ケータイを解剖する」の第2部「大型化で薄さの要望が急増,目指すは2008年に『1円玉』」に,詳細な記事を掲載)。