今回の実験のシステム。低速移動を想定した通信での限界速度を実証する目的で行った。
今回の実験のシステム。低速移動を想定した通信での限界速度を実証する目的で行った。
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今回の実験で利用した基地局のアンテナ
今回の実験で利用した基地局のアンテナ
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今回の実験で利用した移動局
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 NTTドコモは,いわゆる第4世代移動体通信システムに向けた屋外実験で,時速10kmの低速移動時に下り最大約5Gビット/秒のパケット伝送に成功した(発表資料)。

 この実験は2006年12月25日に神奈川県横須賀市の光の丘地区で行われた。基地局から周波数帯域幅100MHzの信号を送信し,時速10kmで走行する移動局で受信した。信号の復号処理を行った結果,最大約5Gビット/秒のパケット伝送に成功しているとわかったという。

 ドコモは2005年12月14日に行った屋外実験で,最大2.5Gビット/秒のパケット伝送に成功している(Tech-On!関連記事)。この時と比較すると,今回はMIMO多重の送受信アンテナ数を6本から倍の12本に増やしたほか,従来の最尤判定法に比べて演算量を約15分の1に減らした受信信号処理技術を使った。周波数利用効率は前回の実験の際の25ビット/秒/Hzから倍の50ビット/秒/Hzに向上した。

 なお,ドコモは今回の実験内容についてスペインのバルセロナで日本時間の2007年2月12日から開催される「3GSM World Congress 2007」で紹介する予定だ。