オランダNXP Semiconductor社は,携帯電話機用マルチメディア・プラットフォーム「Nexperia Cellular System Solution 5210」(以下Nexperia 5210,関連記事)を基盤として,無線LANおよびBluetoothに同時接続できる新しいソリューションを発表した。米Kineto Wireless, Inc.のUMA(unlicensed mobile access)用ソフトウエア・スタックを実装したもの。これにより,Bluetoothヘッドセットによる通話を実現する。また,屋外では移動体通信網を,自宅やオフィス,空港,ホテルなどではWi-Fiを通じて固定線ブロードバンド・ネットワークを,直感的に利用できるようにするとしている。

 今回のソリューションは,Nexperia 5210のベースバンド・プロセサと,IEEE 802.11gの無線LAN用SiP「BGW211」,Bluetooth 2.0 EDR用「BGB210S」を組み合わせたもの。データ転送速度や音声または動画の品質をほとんど損なうことなく,同じ周波数帯で無線LANとBluetoothの同時接続を可能にしたという。Bluetoothヘッドセットで明瞭に通話できるようにするため,音声用のアルゴリズムも追加している。

 さらに,最も伝送速度が速くコスト効率の良い回線を自動的に検出し,移動体通信網とWi-Fiホットスポットとの間でシームレスに接続を切り替える能力も備えた。ユーザーがセットアップする手間などは必要ないとしている。

 無線LANとBluetoothの機能を強化した新しいNexperia 5210プラットフォームは,2007年上期に出荷を開始する予定。なお,2007年2月12日~15日にスペインBarcelonaで開催される「3GSM World Congress 2007」で,このソリューションのデモを行う予定。